Windows 10のLTSB以外の既定のBranchモデルは、全てCBです。CBは、新機能を含む新しいビルドがリリースされたら、Windows Updateで自動的にアップグレードされます。また、CBでセキュリティ更新やバグフィックスを継続して受けるには、常に最新のビルドを実行している必要があります。
既定のCBではなく、CBBを選択したい場合は、Windows 10の「設定」アプリの「更新とセキュリティ」右「Windows Update」→「詳細オプション」にある「アップグレードを延期する」をチェックします(画面4)。このオプションは、Windows 10のPro、Enterprise、Educationエディションでサポートされます。Windows 10 Homeには「アップグレードを延期する」オプションが存在しません(画面5)。
CBBは、ローカルコンピューターポリシーやグループポリシーの「コンピューターの構成¥管理用テンプレート¥Windowsコンポーネント¥Windows Update¥アップグレードを延期する」ポリシーで構成することも可能です(画面6)。複数のWindows 10を一括でCBBに設定したい場合は、グループポリシーで設定を配布するとよいでしょう。
多くのメディアやマイクロソフトから発信される情報から、“CBBはアップグレードを最大8カ月延期できる”と認識している人は多いと思います。これは正しいのですが、CBからCBBに単純に切り替えただけでは、CBと同様に4カ月ごとに(ただし4カ月遅れで)自動アップグレードされてしまいます。「アップグレードを延期する」オプションは、最大8カ月間の延期の猶予期間を直接的に与えるものではなく、単に4カ月遅れでリリースされるCBBを選択したにすぎないのです。
現在、Windows 10を実行中のPCは、CBかCBBかに関係なく、同じビルド10240を実行しています。年内にはCBに対して新機能を含む新しいビルドが提供されることになるでしょう。その新しいビルドは、CBに提供されてから4カ月後にCBBにも提供されることになります。言い方を変えれば、現時点でCBBはまだスタートしていないといえます。
“4カ月遅れの提供”という違いはありますが、CBBに対しても、CBと同じくおおむね4カ月ごとに新機能を含む新しいビルドが提供されます(図2)。CBBを選択したWindows 10で、Windowsの更新をWindows Updateで行っている場合、CBBに対して新しいビルドが提供されると、すぐに自動アップグレードされることになります。
Windowsの更新をWSUSやSCCMで管理している場合は、新機能を含む新しいビルドの配布を承認に基づいて制御することができます(画面7)。この方法で、さらに4カ月、アップグレードを延期することが可能になるのです。さらに4カ月(合計8カ月)というのは厳密な期間ではなく、次の次のビルドがCBBに提供されるまでの期間になります。
CBBでは、同時に二つのBranchモデルがセキュリティ更新およびバグフィックス提供のサポート対象となっており、CBBへの新しいビルドの提供開始と同時に、二つ前の古いビルドに対する更新サポートは終了します。一方、CBは常に最新のビルドであることが、更新を受ける前提です。このように、Branchモデルの違いは、セキュリティ更新とバグフィックスが提供されるサポート期間の違いでもあります。
なお、Windows Update for Businessによる更新の制御については、サービスの詳細が明らかになっていないため、今回は説明しません。
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