このような小型ボードPCを使う場合、最初に「Lチカ」という、LEDランプをチカチカ点滅させてみるのが定例(お約束)となっているようである。Windows 10 IoT CoreではLチカ用にあらかじめメニューが用意されているので、動作確認も兼ねて、さっそく試してみよう。
先の起動画面の左上にあるメニューから[チュートリアル]をクリックする。すると次のようなガイド画面が表示される。
ここではWindows IoTを利用するためのガイド(次に何をすべきか)が表示されているので、左から2つ目の[LEDを点滅]をクリックしてみる。すると次のような画面が表示されるので、[開始]をクリックする。
Raspberry Pi 2ボードにはユーザーから制御できるLEDが複数搭載されており、これはそのうちの1つのLED(「ACT」というラベルが付いているLED)を点滅させるための画面である。[開始]をクリックするとボード上のLEDが点滅し、下のスライドバーを左右に動かすと、点滅のタイミングを10ミリ秒〜1秒まで変更できる。
Windows 10 IoT Coreにはデスクトップやシェルはないので、従来のようなGUIのツールを使った管理方法は利用できない。代わりにリモートから接続して管理するようになっている。リモート管理するためにはいくつか方法があるが、まずはデフォルトで用意されているWeb管理画面を使ってみよう。
最初にWindows 10 IoT Coreのインストールを行うと、ローカルのWindows 10上に「Windows IoT Core Watcher」というツールもインストールされ、自動起動しているはずである。これは同一LAN上で稼働中のWindows 10 IoT Coreシステムを見つけて列挙するためのツールである。
該当するWindows 10 IoT Coreシステムを見つけたら、右クリックしてポップアップメニューから[Web Browser Here]をクリックする(「http://<IPアドレス>:8080/」でアクセスしてもよい)。するとWeb管理画面へのアカウント入力画面が表示されるので、デフォルトのユーザー名「Administrator」、パスワード「p@ssw0rd」で接続する。
Web管理のホームページでは、コンピューター名やパスワード、時刻設定などを変更できるので、セキュリティのため、適宜変更しておこう。
「Apps」のページでは、インストールされているアプリケーションの確認や、新規アプリケーションのインストールなどが行える。Windows 10 IoT Core向けのアプリケーションを作成したら、この画面などを使ってインストールすることになる。
「Processes」タブを開くと、実行中のWindows 10 IoT Coreのプロセス一覧が表示される。これを見ると、Windows 10 IoT Coreで動作しているプロセスは通常のWindows 10に近いものであることが分かる。
「Performance」タブには、通常のWindows OSのタスクマネージャーのように、CPUやメモリ、I/O、ネットワークなどの利用状況がリアルタイムにグラフ表示されている。このシステムの場合、約500Mbytesのメモリを使用している。このメモリ使用量は今時のWindows OSとしてみるとやや少な目だが、小型ボードコンピューターのOSとしてみるとかなり多い。
今回は、Raspberry Pi 2にWindows 10 IoTをインストールして簡単な動作確認を行ってみた。次回はVisual Studioを使ってWindows 10 IoTのアプリケーションを開発する方法についてみていく。
Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.