A10ネットワークスはデータセンター間のトラフィック性能やセキュリティ向上などに寄与する複合的な機能を搭載した新しい「アプリケーションサービスゲートウエイ」を発表した。アプライアンスだけでなく、ソフトウエアでの提供も視野に入れているという。
A10ネットワークスは2015年12月7日、アプリケーションサービスゲートウエイ製品「Thunder」の新製品「Thunder CFW(Convergent Firewall)」を発表した。2016年1〜3月をめどに、まずはアプライアンス製品として日本市場で展開するという。
Thunder CFWは、「セキュアWebゲートウエイ」「データセンターファイアウオール」「Gi/SGiファイアウオール」「サイト間IPsec VPN」の四つの機能が、同社「ACOS(Advanced Core Operating System)Harmony」プラットフォーム上で統合されており、ユーザーは各機能を組み合わせて利用できる。
データセンターファイアウオールでは、DDoS攻撃を防御する機能とアプリケーションデリバリコントローラー機能が統合されている(L4/L7)。Gi/SGiファイアウオールは、DDoS攻撃を防御する機能と、キャリアグレードNAT(CGN)が統合されたGi/SGi(3G/4G通信)インターフェース向けのファイアウオール。サイト間IPsec VPNは、サイト間のアプリケーショントラフィックをIPsec VPNで保護し、サイト間転送をセキュアにする。A10ネットワークスでは、1Uのアプライアンスで150Gbps以上のスループットと500万CPS(コネクション/秒)のファイアウオールパフォーマンスであることから、複数の機能を統合することで運用および設備コストを削減できるとしている。
データセンターのネットワークではSDN(Software-Defined Network)やNVF(Network Functions Virtualization)の急速な浸透を背景にクラウド化が進んでいることから、A10ネットワークスでは省スペースで効率的な運用が求められつつあるのと同時に「セキュリティ機能なども統合したプラットフォームを求める声が高まっている」と、市場を分析している。
ACOS HarmonyプラットフォームとA10ネットワークスの集中管理システム「aGalaxy」を利用すれば、ログデータや各種設定情報にも外部からのアクセス可能だという。ただし、aGalaxyがThunder CFWシリーズに対応するのは2016年4〜6月ごろの予定とのこと。なお、A10ネットワークスでは、2016年内にThunder CFWのソフトウエア単体での提供も計画中だとしている。
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