GMO、ブロックチェーン技術を使ったゲーム用バックエンドを開発2016年秋ごろにPaaSで提供予定

GMOインターネットはテックビューロと業務提携し、ブロックチェーン技術を使ったゲーム用バックエンドエンジンを共同開発する。運用コストを従来比2分の1未満に削減できる上、ダウンタイムも抑えられるとしている。

» 2016年02月01日 15時30分 公開
[@IT]

 GMOインターネット(GMO)は2016年2月1日、テックビューロと業務提携し、ゲーム用バックエンドエンジンを共同開発すると発表した。テックビューロのプライベートブロックチェーン技術「mijin」を適用することで、運用コストを従来比2分の1未満に削減できる上、ダウンタイムも抑えられるという。

 GMOでは、2016年秋をめどに、共同開発の成果をゲームアプリ専用クラウドサービス「GMOアプリクラウド」でPaaS型のバックエンドエンジンとして販売を開始する予定。このバックエンドエンジンには「ゲーム内通貨の決済」や「アイテムの所有権移行」「進行フラグの保存・照会」などの処理を担う機能を持たせるという。

 ブロックチェーン技術では、データを複数のコンピュータ(ノード)に分散して格納できるため、バックエンドのデータベースへのアクセス負荷が集中することでシステムが停止するといったリスクが発生しにくい。また、アクセス容量を超えても機能が停止することなく自動的な遅延処理が可能なことに加え、トランザクションの整合性も保証できる。システムインフラ側の観点から見ると、ピーク時でも中央サーバーやデータベースにトラフィックが集中しにくくなることで、調達リソースを削減できる可能性がある。

中央サーバによる処理とmijinを使ったプライベートブロックチェーンでの処理の比較(出典:GMO)
キャパシティを越えてもシステムダウンではなく「自動遅延処理」が行われる(出典:GMO)

 さらに、ブロックチェーン技術を適用した全てのデータは暗号化して管理されることから、「ゲーム内通貨」や「所有アイテム」といったデータの改ざんを防ぐことができ、アクセス権限についてもゲーム運営者側で厳密に管理できる。こうしたことから、ゲーム運営者側は、不正操作を行うユーザーや業者を排除することができるという。

 GMOでは既に1800タイトル以上のゲームをGMOアプリクラウド上で運用しているが、今後はこうした技術をGMOアプリクラウドに適用し、トラフィック量が想定を上回った場合でもダウン(停止)しないゲーム環境を安価に提供することで、サービスの拡充を図っていくとしている。

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