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» 2016年03月09日 05時00分 公開

仕事はツラクて、ツラクて、ツラいもの?――仕事の「楽しさ」とは何だろう仕事が「つまんない」ままでいいの?(15)(2/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

どのようなときに仕事の「楽しさ」を感じるのか

 では、人はどのようなときに、仕事の「楽しさ」を感じるのでしょうか。具体的に例を挙げてみましょう。

集中している「充実感」

 仕事に集中できると、充実した気持ちになれます。

 ライターのTさんは、次のように言います。「ライターは、一日に何本もの記事を書きます。文章を書くのは好きですが、きちんとした文章を書くにはそれなりに時間がかかりますし、締め切りもあるので楽な仕事ではありません。けれども、時間を忘れるほど集中して執筆している自分に気が付いたとき、すごく充実した気持ちになるし、そういうときの文章は品質的にもいい。この充実感を味わいたくて、ライターをやっているといっても過言ではありません」

ひらめく「快感」

 「あっ、そうだ! こうやればできるぞ!」とひらめく快感も、仕事の楽しさの一つです。

 プログラマーのIさんは、仕事の楽しさをこう語ります。「プログラミングは『こうすれば、ああなる』のように、論理的に考えるものだと思われるかもしれません。でも、プログラミングの本当の楽しさは『ひらめき』です。例えば、機能的に難しい処理をプログラミングするとき、『ここはどうやってプログラムを組んだらいいのだろう?』と悩むことがよくあります。解決策がすぐに見つからないので、突き詰めて、突き詰めて考えていると、突然『あっ、これだな。こうすればできるな』とひらめくのです。まるで、目の前の霧が一瞬で晴れるような感覚です。この瞬間がとても気持ちいい。後は、手を動かしてコードに落とし込むだけです」

仕事って楽しいのかな?

仕事の区切りが付いたときの「達成感」

 目指していたゴールまでたどり着き、区切りが付いたときの達成感も、仕事の楽しさの1つですよね。

 SE(システムエンジニア)のFさんは、こう言います。「業務システムの開発では、顧客がいろんな要望や無理難題を言ってきます。複数の部署にまたがるような大きなシステムではその傾向が顕著で、『もー、自分勝手なことばかり言うなよ』と、途中で仕事を投げ出したくなることはしばしばです。けれども、いろんな課題を調整して、顧客から仕様のOKをもらったとき、『頑張ったな、やりきったな』と思います。今まで苦労したからこそ感じる喜びなのかもしれません。仕事の区切りが付いた後で仲間と飲む酒は本当にうまいですね」

いい仕事ができるようになった「成長感」

 自分の成長を感じると、うれしい気持ちになれますね。

 筆者が仕事で文章を書くようになって10年ほどたちました。初期の文章を読み返すと、「下手くそだなぁ」「こう書いた方が分かりやすいのにな」と恥ずかしい気持ちになります。と同時に、こうも思うのです。「以前と比べて今は、少しはマシになったかな」と。

 以前の文章を「下手くそだなぁ」と感じるのは、以前と比べて何かしら「変化」しているからです。成長を感じるとうれしくなります。

仕事を楽しんでもいいのかな?

「好きなことができる」うれしさ

 好きな仕事をしているときは、単純に楽しいです。

 自動車のバンパーやエアロパーツの設計に携わっている女性エンジニアのKさんはこう言っています。「とにかくモノづくりが好きです。設計したパーツは3Dプリンタを使って確認しますが、デザインしたものが少しずつ形になってくるあの瞬間は、いつもワクワクします。時には上司からダメ出しされて、悔しい思いをすることもありますが……」

 (好きなことが仕事にできていない人もいるでしょう。直接的に好きな仕事ではなくても、強みを見つけて仕事に生かすことによって、楽しく感じられる場合もあります。このままでいいの?――つまらない仕事を「楽しい」に変える4ステップも併せてご覧ください)

「チーム」で仕事をする楽しさ

 チームで仕事をすることに楽しさを感じる人もいます。

 人材派遣会社で管理職をしているMさんは、仕事の楽しさをこう言います。「若いころは現場の仕事が好きだったので、管理職にだけはなりたくないと思っていました。けれども、年齢を重ねるとそうも言っていられなくなり、しぶしぶ引き受けることになりました。でも、実際に管理職をやってみたら『一人ではできないことでも、チームだったらできる』と気付きました。『みんなで1つのことに取り組む』……これは、現場で個人プレーをしていたときには分からなかった楽しさです。大変なこともたくさんあるし、意見がぶつかることもありますが、困ったときほど、みんなで話し合うことにしています」

人と人とが「つながる」楽しさ

 人と人とのつながりに、仕事の楽しさを感じる人もいます。

 Kさんはベテランの営業職です。仕事の楽しさを、次のように話します。「私の仕事は保険のセールスですが、最近よく思うのは、『人と人とをつなげることこそが私の仕事だ』ということです。例えば、(保険の仕事にかかわらず)何かに困っているお客さんがいれば、それを解決できる知り合いを紹介したり、新しくビジネスを始めた人がいれば、そのサービスを必要としている人をつなげたり。今では、保険の商品を売ることよりも、人と人がつながっていくことに喜びを感じます。その結果は、保険の仕事にもつながっています」

仕事って楽しい!

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