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» 2016年03月09日 05時00分 公開

仕事はツラクて、ツラクて、ツラいもの?――仕事の「楽しさ」とは何だろう仕事が「つまんない」ままでいいの?(15)(3/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]
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仕事の「前提を変える」ことからはじめよう

 仕事が「楽しい」というと、何となく「甘さ」を感じる人も少なくないでしょう。けれども、ここに紹介した人たちの仕事は、決して甘いわけではありません。むしろ「大変」だといえるでしょう。

 でも、彼らは「大変さ」の中から「楽しみ」を見いだしています。

 仕事に楽しさを見いだすためには、「好きなことを仕事にしなければならない」「そのためには、特別な才能が必要だ」と思っている人もいるでしょう。けれども、ここに紹介した人たちは、決して特別なことをしているわけではありません。最初は嫌だった仕事が楽しく感じられるようになった人もいます。

 仕事を楽しくする上で最も大切なのは、仕事に対する前提を「仕事なんだから大変なのが当たり前」「仕事とは、そもそも楽しいもんじゃない」のように決めつけないことです。なぜなら、その思い込みが仕事の「楽しさ」を気付きにくくしてしまうからです。

 同じ環境に身を置いていても、その中に楽しみを見いだす人もいれば、見いださない人もいます。その差は、仕事に対する「見え方」や「捉え方」の影響が大きいのです。

 とはいえ、すぐには「楽しい」とは思えない場合もあるでしょう。それならば、「ひょっとしたら、仕事は楽しくてもいいのかも。楽しいこともあるかも」と思うぐらいから始めるといいと思います。そして、小さな「いい気分」になれる、感じられることを探してみてください。

「楽」と「楽しい」は違う

 最後に、管理職やマネジメント層の方にお願いがあります。

 30代後半以上の方は、これまで「仕事とは厳しいものだ」「仕事はそんなに甘いもんじゃない」と、上の世代から育てられてきましたよね(少なくとも、筆者はそうでした)。その中で頑張ってきましたし、厳しさの中から学ぶことがたくさんありました。厳しさを若い世代にも伝えたいとも思うでしょう。

 確かに、仕事は「楽」ではないし、そんなに甘いものではありません。ましてや、ビジネスの結果を出すのは本当に大変だと筆者も痛感しています。

 けれども、厳しさだけでは結果は出ないのもまた、事実です。なぜなら、自発的な行動の源泉は「楽しさ」にあるからです。

 そこで、もし、若い世代に仕事の価値観を伝えるなら、厳しさに加えて、あなたが仕事の中で感じた充実感や成長感、気付いたことや学んだこと、自信になったことなど「楽しさ」も伝えていただきたいと思うのです。なぜなら、私たちの「仕事とはこういうものだ」という価値観は、触れた情報や経験によって作られていくからです。

 「楽」と「楽しい」は違います。仕事で「楽」をしようと言っているのではありません。仕事に楽しさがあっても、いいのではないでしょうか。

みんなで「仕事の楽しさ」を共有しよう

 仕事の楽しさは、ここに挙げた例以外にも、「一生懸命作ったものがお客さんに褒められてうれしかった」「1つのことを追求していくことが楽しい」など、いろいろあると思います。

 もし、「私は、仕事のこういうところが楽しいよ」という意見があれば、ぜひ、ソーシャルメディアなどを通じてコメントをお寄せください。いろいろな「仕事の楽しさ」を共有し合うことで、「これは無理だけど、こういうことならできそうだな」という参考になります。

 仕事に楽しさを見いだせる人が増えるといいな。

あなたの、仕事の「楽しさ」を教えてください


今回のワーク

 大切なのは、「なるほどね」で終わらせないことです。静かな場所に行って、コーヒーでも飲みながら、紙とペンを取り出して考えてみてください。

  • これまでの社会人生活の中で、「いい気分」になれたことがあれば、それを書き出してみましょう。もし1つもなければ、「あえて挙げるとしたら?」を考えてみます
  • その体験のどんなところに「いい気分」になれたのか、何に「楽しい」と感じたのかを、あらためて考えてみましょう
  • それが、今の仕事に生かせないかを考えてみます
  • 最後にココロの中でつぶやいてください。「ひょっとしたら、仕事は楽しくてもいいのかも。楽しいこともあるのかも」

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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