Cisco Startで2つの新クラウドサービス、販売体制強化中小企業向けネットワーク製品

シスコシステムズは2016年4月6日、中小企業向けネットワーク製品シリーズ「Cisco Start」で、セキュリティとビデオ会議のサービスを発表した。また、同シリーズのルータでアプリケーショントラフィック制御の新機能を追加。販売面ではインターネットと間接販売モデルの連携を進めるために新Webサイト「Cisco SMBマーケットプレイス」を開設した。

» 2016年04月07日 08時30分 公開
[三木 泉@IT]

 シスコシステムズは2016年4月6日、中小企業向けネットワーク製品シリーズ「Cisco Start」で、セキュリティとビデオ会議のサービスを発表した。また、同シリーズのルータでアプリケーショントラフィック制御の新機能を追加。販売面ではインターネットと間接販売モデルの連携を進めるために新Webポータル「Cisco SMBマーケットプレイス」を開設した。

 まず、Cisco Startのルータ「Cisco 841M J」で、ルータを通して流れるトラフィックを識別し、「YouTube」などのアプリケーション/サービス名で管理者が確認できる「アプリケーション可視化」機能を強化した。この機能自体は当初から備わっているが、今回はさらにアプリケーションブロック機能を追加した。管理者はルータの管理画面に表示される、アプリケーショントラフィックのリストを見て、いずれかのトラフィックを選択し、「ブロック」を指定するだけで、このトラフィックをルータでブロックできる。ルータのセキュリティポリシー設定画面で、グラフィカルに、より詳しい設定をすることもできる。

 セキュリティの新サービスは「CiscoクラウドWebセキュリティ」。Webサイトの評価に基づくWebフィルタリングサービスで、Webサイト、Webメールからのウイルス、マルウェアのダウンロードをブロックすることもできる。これはシスコが提供している本格的なセキュリティサービス機能の一部を中小企業向けに切り出したもの。シスコは、各端末にウイルス対策ソフトウェアをインストールする代わりに、より安価で確実なセキュリティが実現できるとしている。

クラウドWebセキュリティの有効化と、セキュリティサーバのIPアドレス指定だけで、利用を開始できる

 CiscoクラウドWebセキュリティは、Cisco Startのフラッグシップ製品ともいえるルータ「Cisco 841M J」のオプションとして利用できる。設定も、同ルータの管理画面で、「CiscoクラウドWebセキュリティを使う」をクリックして有効化すればいい。実は従来よりCisco Startで提供されているサービスだが、今回ルータとの同時購入で1ライセンス(1ユーザー)3980円/年(希望小売価格)のキャンペーンを開始した。7月には同サービスの管理画面が完全に日本語化されるという。

 ビデオ会議サービスは、Webブラウザからでも使え、スマートフォンにも対応するクラウドサービス「Cisco WebEx」を安価に提供するというもの。シスコでは、中小企業でも人材獲得などのため、労働環境の改善が重要なテーマになってきているとし、このサービスをCisco Startに組み込んだ。

 こちらも「Cisco 841M J」との同時購入で、1ライセンス(最大25拠点をつなぐWeb会議が開催できるライセンス)を、3万7900円/年(希望小売価格)で提供するという。

Cisco Start関連の情報・機能を集約したWebポータルを開設

 一方、シスコは「Cisco SMBマーケットプレイス」という、Cisco Start専用のWebサイトを開設した。これは、同シリーズ製品関連の情報を集約したサイトで、各種設定方法や活用方法、コミュニティサポートなどの情報が掲載される。だが、このサイトの大きな役割は、中小企業とCisco Startの販売パートナーを結ぶことにある。

 SMBマーケットプレイスでは、Cisco Start製品に興味を持った人が、製品をカートに入れた後、近隣にあるCisco Start販売パートナーを選択できる。するとこのパートナーから見積もりメールが届くようになっている。つまり、このWebサイトで直接購入するのではなく、より安い価格で販売パートナーから買うことになる。

製品をカートに入れると販売パートナーが選択できるようになっている

 2015年10月にシスコが始めたCisco Startは好調という。シスコは100%間接販売を、このプログラムでも貫いているが、2016年3月末時点では935の二次店が販売したという。SMBマーケットプレイスは、これら二次店のビジネスをさらに支援する狙いがあるという。また、Cisco Startの購入者は日本全国に広がっており、こうしたユーザーによる活用を支援するためにも、ユーザーの近くにいる販売店を紹介できることが重要という。

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