私は技術オタク――エンジニア出身社長の「フロリダでのゴルフ三昧よりも楽しいこと」Go AbekawaのGo Global!〜Tom Lagatta編(3/3 ページ)

» 2016年05月24日 05時00分 公開
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フロリダでのゴルフ三昧よりも楽しいこと

阿部川 最後の質問です。エンジニアにとって大切なことは何ですか?

ラガッタ氏 私は技術が大好きです。引退してフロリダに住んで、1日中ゴルフをする生活もできないわけではありませんが、あえてそれはしません(笑)。ハイテク業界や技術に触れている方がもっと楽しいからです。

 周りのエンジニアにはいつも「一所懸命働け、そして楽しめ」と言っています。次の昇進はいつかなど憂う必要はありません。一所懸命働けば、チャンスは必ずあちらからやってきます。その逆は決してありえません

 最後に「今日は退屈だ、何もやることがない」と思ったのがいったいいつだったか、思い出せません。毎日がエキサイティングで、「おー! こんなに仕事がある。何て幸せだろう!」と思います。私は技術オタク(“I'm a geek.”)なので、こうして仕事ができることがとても楽しいのです。

阿部川 オタクなのですね……(笑)。

ラガッタ氏 はい、私は根っからの技術オタクで、会長のケントはスーパー技術オタクです(笑)。Numecentは技術オタク2人が運営している会社ですから、クレージーなんです(笑)。

Go's thinking aloud インタビューを終えて

 “I'm an engineer at heart.”

 一時は引退したIT業界のベテラン経営者が、いま一度CEOとして現場復帰しようと決意したのがこの思いだ。CEOではあっても心はエンジニア。IT業界35年のベテランだからこその熱がこもっている。

 “I love technology.”“I'm a geek.”――これだけはっきりと自分を「オタク」と言い切る経営者に会うのもまれだ。

 私やラガッタさんのように黎明期からIT業界にいるロートル達(笑)は、仕事の全てが新しいことだったから、「今目の前にある仕事を一所懸命やる」しかなかった。そしてそれは間違いなく報われ、大きな達成感も何度か味わってきた。だからどうしても若い人に説教口調で、「とにかく迷わず働け」とやってしまう。

 しかし、今は時代が違う。読者からの「一所懸命やってるんです」「だからこそ、このままでいいのか迷うんです」という声が聞こえてくる。そこに何らかの手応えやヒントを与えたくてわれわれは、この連載や@IT自分戦略研究所の記事で、多様な視点を提供し続けている。「われわれの“raison d'etre(存在意義)”はそこにある」と信じて。

阿部川久広(Hisahiro Go Abekawa)
アイティメディア グローバルビジネス担当シニアヴァイスプレジデント兼エグゼクティブプロデューサー、キャスター・リポーター
コンサルタントを経て、アップル、ディズニーなどでマーケティングの要職を歴任。大学在学時より通訳、翻訳なども行い、CNNニュースキャスターを2年間務めた。現在は英語トレーナー、コミュニケーションに関する執筆、講座、講演も行っている。

編集部より

「Go Global!」では、インタビューを受けてくださる方を募集しています。海外に本社を持つ法人のCEOやCTOなどマネジメントの方が来日される際は、ぜひご一報ください。取材の確約はいたしかねますが、インタビュー候補として検討させていただきます。


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