阿部川 最後の質問です。エンジニアにとって大切なことは何ですか?
ラガッタ氏 私は技術が大好きです。引退してフロリダに住んで、1日中ゴルフをする生活もできないわけではありませんが、あえてそれはしません(笑)。ハイテク業界や技術に触れている方がもっと楽しいからです。
周りのエンジニアにはいつも「一所懸命働け、そして楽しめ」と言っています。次の昇進はいつかなど憂う必要はありません。一所懸命働けば、チャンスは必ずあちらからやってきます。その逆は決してありえません。
最後に「今日は退屈だ、何もやることがない」と思ったのがいったいいつだったか、思い出せません。毎日がエキサイティングで、「おー! こんなに仕事がある。何て幸せだろう!」と思います。私は技術オタク(“I'm a geek.”)なので、こうして仕事ができることがとても楽しいのです。
阿部川 オタクなのですね……(笑)。
ラガッタ氏 はい、私は根っからの技術オタクで、会長のケントはスーパー技術オタクです(笑)。Numecentは技術オタク2人が運営している会社ですから、クレージーなんです(笑)。
“I'm an engineer at heart.”
一時は引退したIT業界のベテラン経営者が、いま一度CEOとして現場復帰しようと決意したのがこの思いだ。CEOではあっても心はエンジニア。IT業界35年のベテランだからこその熱がこもっている。
“I love technology.”“I'm a geek.”――これだけはっきりと自分を「オタク」と言い切る経営者に会うのもまれだ。
私やラガッタさんのように黎明期からIT業界にいるロートル達(笑)は、仕事の全てが新しいことだったから、「今目の前にある仕事を一所懸命やる」しかなかった。そしてそれは間違いなく報われ、大きな達成感も何度か味わってきた。だからどうしても若い人に説教口調で、「とにかく迷わず働け」とやってしまう。
しかし、今は時代が違う。読者からの「一所懸命やってるんです」「だからこそ、このままでいいのか迷うんです」という声が聞こえてくる。そこに何らかの手応えやヒントを与えたくてわれわれは、この連載や@IT自分戦略研究所の記事で、多様な視点を提供し続けている。「われわれの“raison d'etre(存在意義)”はそこにある」と信じて。
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