Windows OS標準のクラウドストレージ「OneDrive」。だが、既に別のサービスを利用していて不要だったり、企業内で使用が禁止されていたりするなら、OneDriveを無効化することも可能だ。
対象OS:Windows 7/Windows 8.1/Windows 10
マイクロソフトのクラウドストレージであるOneDriveを利用すると、データを大量に保存しておけるだけでなく、データを複数のデバイス間で簡単に共有したり、ほかのユーザーとデータ交換できり、データのバックアップにもなるなど便利である。OneDriveについて以下の記事を参照していただきたい。
だが操作を誤ってデータを広く公開してしまったり、社外にデータを保存するため情報漏えいしたりする危険性があるなど、その利用には注意が必要である。そのため、会社などではOneDriveの利用を禁止したいという要求があるかもしれない。
本TIPSでは、OneDriveを無効にする方法について解説する。
OneDriveの同期機能は、グループポリシーで無効化できる。ただし、グループポリシーを利用できないWindow 8.1無印/Windows 10 Homeなどでは使えない。またWindows 7にはデフォルトでOneDrive用のポリシーテンプレートが存在しないので、やはり設定できない。これらのWindows OSでは、後述するレジストリで設定すること。
まず[Windows]+[R]キーで[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、「gpedit.msc」と入力して「ローカル グループポリシー エディター」を起動するか、Active Directoryドメインの場合は[管理ツール]にある[グループ ポリシー管理エディター]を起動する。
そして、[コンピューターの構成]−([ポリシー])−[管理用テンプレート]−[Windowsコンポーネント]の下にある[OneDrive]を開く。
そして右ペインにある[OneDriveをファイル記憶域として使用できないようにする]の項目をダブルクリックして開き、[有効]を選択して、[適用]ボタンをクリックする。
環境によっては、もう1つ似たような項目として[Windows 8.1でOneDriveをファイル記憶域として使用できないようにする]が表示されていることもある。その場合はこちらも[有効]にセットしておく。これはWindows 8.1(および古いSkyDriveクライアント)環境向けの設定である。
設定変更後、システムを再起動してサインインすれば、エクスプローラや通知領域から「OneDrive」のアイコンが消えているはずだし、ローカルのOneDriveフォルダから、同期状態を表すアイコンが消えているはずだ。
ローカルグループポリシーが使えないエディションのWindows OSや、レジストリで設定を行いたい場合は、管理者アカウントでログオン(サインイン)してから、以下の設定を変更する。
項目 | 内容 |
---|---|
キー | HKEY_LOCAL_MACHINE の \SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\OneDrive または HKEY_LOCAL_MACHINE の \SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\SkyDrive ※「OneDrive」キーで無効化できなかった場合は「SkyDrive」キーを指定してみる。いずれもキーがない場合は、新たに作成すること |
値の名前 | DisableFileSyncNGSC ※Windows 7/Windows Server 2008 R2以降のWindows OSが対象 |
型 | REG_DWORD |
値の内容 | 1 |
値の名前 | DisableFileSync ※Windows 8.1/Windows Server 2012 R2の場合 |
型 | REG_DWORD |
値の内容 | 1 |
OneDriveを無効にするレジストリ設定 古いOneDriveクライアントの場合は、「SkyDrive」キーに上記の値を指定する必要がある。そのため、まずは「OneDrive」キーを設定し、無効化できない場合は「SkyDrive」キーを指定すれば良いだろう。また、Windows 8.1向けの設定は別のようなので、「DisableFileSyncNGSC」「DisableFileSync」とも設定しておくとよい。 |
またOneDriveを使いたければ、これらの値を削除する。
OneDriveを無効にするレジストリキーは、OneDriveクライアントモジュールやWindows OSのバージョンによって異なることがあるので注意する。また常に最新のOneDriveクライアントモジュールに更新しておかないと無効化できないことがある。
OneDriveは当初「SkyDrive」という名称でリリースされていたし、Windows 7では後付けインストール、Windows 8ではOSに組み込み済みと、リリース形態もさまざまであった。その後クライアントモジュールが何度かバージョンアップを重ね、それに伴ってOneDriveを無効にするためのレジストリキーの名前や値も変更されている。そのため、対象環境によっては、うまく無効化できないことがある。
よってOneDriveを無効化するには、基本的にはまずローカルグループポリシーか、Active Directoryのグループポリシーで設定する。ただしActive Directoryのグループポリシーの編集は最新版のWindows 10(TH2以降)の上で行うようにする。古いWindows OSだとOneDriveのための管理用テンプレート設定が含まれていないことがあるからだ。
グループポリシーが使えない場合はレジストリでも設定できるが、キーの名前が「OneDrive」ではなく「SkyDrive」でないと機能しなかったり、「DisableFileSyncNGSC」ではなく「DisableFileSync」でないと無効化できないことがあるので注意する。
Windows 7でOneDriveを利用するためには、ユーザーがOneDrive用のプログラムを明示的にインストールする必要がある。そのため、[コントロールパネル]の[プログラムと機能]で「Microsoft OneDrive」というプログラムをアンインストールしても、OneDriveを無効にできる。
グループポリシーやレジストリ設定などでOneDriveを無効にすると、OneDriveのファイル同期機能は無効になるものの、既にダウンロード済みのOneDriveのファイルなどは残ったままである。それ以外にも次のような状態になるので、必要なら適宜対応すること。
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