江崎グリコは2016年8月4日、ポッキーやビスコなどのお菓子を並べることでプログラミングを学べるスマートフォン/タブレット用アプリ「GLICODE」を提供開始した。GLICODEは総務省の「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業に選定されている。
江崎グリコは2016年8月4日、ポッキーやビスコなどのお菓子を並べることでプログラミングを学べるスマートフォン/タブレット用アプリ「GLICODE(グリコード)」を開発、提供開始した。Android 5.0以上に対応しており、iOSへの対応は8月下旬の予定。
GLICODEは、「ビスコ」「ALMOND PEAK(アーモンドピーク)」「Pockey(ポッキー)」「グリコ」の4種類のお菓子を並べて、それをスマートフォンのカメラで撮影し、お菓子の並べ方に応じたプログラムでキャラクター「ハグハグ」を動かすゲームアプリだ。さまざまなステージが用意されており、お菓子プログラムでキャラクターを動かしてゴールにたどり着かせることで次のステージに進むことができる。
4種類のお菓子には下記のような命令を持たせており、左から順に並べることで、順次処理を行わせることができる。お菓子の向きを変えることで、別の命令にすることができ、Pockeyは斜めにして挟むことで繰り返し(ループ)処理を実行させる。ALMOND PEAKは画面上に現われる「A」ボタン、「B」ボタンを押したときのイベント処理を行わせることが可能だ。グリコはランダムな命令を実行させるようになる。これらによって、プログラミングの考え方を子どもに身に付けさせる狙いだ。
GLICODEは、総務省の「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業に選定されたアプリだ。総務省は2016年5月27日から6月24日までクラウドや地域人材を活用した、効果的・効率的なプログラミング教育の実施モデルを一般公募しており、7月12日に「プログラミング教育事業推進会議(第1回)」を実施。その結果、GLICODEを含む11の実施プロジェクトを選定している。9月下旬から、東京都小金井市立前原小学校でGLICODEを活用した授業が展開予定だ。
GLICODEを使った授業を行う小金井市立前原小学校校長の松田孝氏は、総務省の「プログラミング教育事業推進会議」の委員を務めており、プログラミング教育を積極的に進めている。GLICODEについては「お菓子を使えば、その操作活動によってバーチャルな世界におけるプログラミング(命令)を具体的な量やベクトルとして実感させることができる。具体的操作期にある低学年の子どもにとっては最高の教材ではないだろうか」とコメントしている。
GLICODEを開発した背景として江崎グリコは、次のように述べている。
「江崎グリコは創業以来、『食べることと遊ぶことは子どもの2大天職である』と考え、創業者である江崎利一はグリコは栄養菓子とおもちゃで1つだと捉えていた。グリコのおもちゃは、発売以来50億個を超え、子どもたちの創造性を育み、日本の生活文化を語る証拠として多くの人たちに愛され親しまれている。GLICODEは『次代のおもちゃ』としても親しんでもらいたい。
江崎グリコは『食を通じて社会に貢献する』ことを目指している。政府の新たな成長戦略の施策の1つとして、若年層へのプログラミング教育が盛り込まれている。創業以来、子どもたちの健やかな成長を願ってきたわれわれとしては、子どもたちのプログラミング教育の一助となるべく、おいしいお菓子を食べながら楽しく遊び、かつ学ぶこともできるGLICODEを開発した。子どもたちが親しんでいるグリコのお菓子をきっかけにしてプログラミングに興味を持ってもらいたい」
江崎グリコは今後、複数の小学校教育への導入なども視野に入れながら、気軽に楽しめる体験イベントなども展開していく予定だとしている。
政府の成長戦略の中で小学校の「プログラミング教育」を必修化し2020年度に開始することが発表され、さまざまな議論を生んでいる。そもそも「プログラミング」とは何か、小学生に「プログラミング教育」を必修化する意味はあるのか、「プログラミング的思考」とは何なのか、親はどのように準備しておけばいいのか、小学生の教員は各教科にどのように取り入れればいいのか――本特集では、有識者へのインタビューなどで、これらの疑問を解きほぐしていく。
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