ITの高度化に伴い、今、データ量が爆発的に増大しています。そのデータは、必ずしもデータベースに送られるわけではありません。今回は、IoTやセキュリティ対策の需要増を背景に、大量のログやセンサーデータがどのように扱われるか、最近の気になる動きを確認します。
前回は、IBMのデータに関するスタンスや取り組みを紹介しました。近年IBMは折に触れ、「データは新しい天然資源」と表現しており、先ごろ発表した「Open for Data戦略」では、データと技術を包括的に捉えて今後のビジネスに役立てようとしています。
米マイクロソフトも似た考えを持っています。米マイクロソフトCEO(最高経営責任者)のサティア・ナデラ氏は、2016年に入ってから何度か「Data is new electricity(データは新しい電気である)」と表現しています。同社は、データこそがビジネスの原動力になるという考えの下、データがビジネスを動かしていく世界を「データカルチャー」と呼んでいます。そこで技術的に有効になるのが、これまでのRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)に換え、“データプラットフォーム”と位置付ける「SQL Server 2016」であるとしています。
振り返れば、これまでの業務システムはデータベースが重要な構成要素でした。処理要件はある程度決まっており、これをいかに効率よく処理するかということに目を向けていたと思います。ところが数年前から、「ビッグデータ」を転機に、膨大な──これまで、あまり重視していないことも多かったデータからも、ビジネス的な価値のある情報や知見を得ようという動きが生まれました。
そして最近では、「デジタルトランスフォーメーション」や「デジタルイノベーション」といったキーワードに表されるように、得られたデータを基に、次のアクションを起こす「データドリブン」の取り組みが今後の企業活動に必須だとされています。つまり、「データ活用がビジネスそのもの」になりつつあります。このような背景から、商用データベース製品を抱えるベンダーもこの新潮流に向けて急速に舵を切っています。
しかし、今やデータを扱えるのはRDBMS製品だけではありません。そこで今回は、データベースベンダー“ではない”2社におけるデータに関する取り組みを探ってみます。その2社とは、「Splunk」と「ホートンワークス」です。
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