連載第8回の「Web開発者が覚えておきたい、よく使うAngularJSのビルトインディレクティブ12選まとめ」では「AngularJSで提供されているHTMLを拡張する仕組みを使って作成した機能をディレクティブと呼ぶ」と解説しまた。
ディレクティブとは再利用可能なUI部品です。AngularJSでは、このディレクティブを使用してアプリを作成していきますが、デフォルトのディレクティブ(ビルトインディレクティブ)だけでは要件を満たせない場合があります。そういった場合や画面構成要素をまとめたい場合には、自分でディレクティブを作成する必要があります。
ディレクティブの機能は多く、実装するために知らなければならないこともあるため、本章ではシンプルなカスタムディレクティブ作成を通じてディレクティブの基本動作を確認してみます。
下記のようなシンプルなカスタムディレクティブを記述してみましょう。
・
・
<script>
var myApp = angular.module('mySimpleApp', []);
myApp.controller('myController', ['$scope',
function ($scope) {
}
]).directive('mySimpleDirective', function () {
return {
//コンパイル
compile: function (tElement, tAttrs, tTransclude) {
console.log("compile!");
tElement.text("my simple diretive.");
//リンク
return function link(scope, element, attrs, controller) {
console.log("link!");
scope.$watch('message', function (newValue) {
console.log("watch!");
tElement.text(newValue);
});
};
}
}
});
</script>
<body ng-controller="myController">
<input type="text" ng-model="message">
<!-- my-simple-directiveディレクティブの使用 -->
<div my-simple-directive></div>
</body>
カスタムディレクティブは、directive関数を使用して定義します。このプログラムを実行すると、ログには下記の順に表示され、画面には「my simple diretive.」という文字列が表示されます。
compile! link! watch!
また、テキストボックスに値を入力すると、my-simple-directiveの値も同期されます(watch関数も、そのたびに実行される)。
では、この処理の流れについて簡単に説明していきましょう。
AngurarJSでは、アプリの起動時にHTML内からディレクティブを探します。このサンプルでは「my-simple-directive」が見つけられ、コンパイルが行われます(compile関数が実行される)。
compile関数の引数は3つあり、下記を受け取ります。
コンパイルの後はリンク処理が実行されます。リンク処理ではスコープとのバインドが行われるので、ここで$watchを使用して変数監視を指定します。なお、リンクはlink関数を定義するか、サンプルのようにcompile関数の戻り値としてlink関数を定義します。
$watchで指定したプロパティ($scope.message)の変更をチェックし、変更があればDOMの書き換えを行います。
なお、$digestと$digestループの詳細な説明については、下記サイトなどの情報をご確認ください。
今回はよく使用するフィルタの使い方と、カスタムフィルタの定義方法、カスタムディレクティブの基本を紹介しました。
次回はカスタムディレクティブの詳細について紹介する予定です。
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