NTT Com、ミランティスと全世界でOpenStackのホステッドプライベートクラウドを展開へ全世界の大企業が対象

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2016年10月21日、ミランティスと協業し、OpenStackを使ったホステッドプライベートクラウドを全世界で展開していくと発表した。世界中の「Global 2000」と呼ばれる大企業を対象とし、新サービスを2017年3月末までに提供開始する。

» 2016年10月21日 09時01分 公開
[三木泉@IT]

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2016年10月21日、米ミランティスと協業し、OpenStackを使ったホステッドプライベートクラウドを世界中で展開していくと発表した。日本国内、あるいは海外の日本企業だけでなく、世界中の「Global 2000」と呼ばれる大企業を対象とし、新サービスを2017年3月末までに提供開始する。

 新サービスは、NTT Comのクラウドサービス「Enterprise Cloud」、および同社のデータセンター上で、各顧客専用のOpenStack環境を、サービス側で構築し、運用するというもの。一般的なパブリッククラウドのように複数の顧客が単一のインフラを共有するのではない。顧客ごとに専用の物理サーバが割り当てられ、この上にOpenStack環境が顧客側の作業なしに構築される。これは「ホステッドプライベートクラウド」「バーチャルプライベートクラウド」「専有型クラウド」などと呼ばれる形態だ。

 Enterpise Cloudでは、現在共有型クラウドとしてOpenStackを提供。一方で専有型クラウドとしてVMware vSphere、Hyper-V、ベアメタルサーバ(物理サーバ)を提供している。新サービスは、Enterprise Cloudの場合、このベアメタルサーバ提供サービスをそのまま利用して、OpenStackを導入する。従って、ベアメタルサーバについては、Enterpise Cloudの料金がそのまま適用される。課金は時間単位だ。これにOpenStackのライセンス、サポート料金が加わることになる。

図のうちEnteprise Cloudのベアメタル、およびコロケーション施設を使ってOpenStackの専有型クラウドを提供する

 ミランティスはこれまで、OpenStackを顧客の社内(オンプレミス)に導入し、(遠隔的に)運用代行を提供してきた。今回のようにデータセンターを展開している企業と協業するのは、同社としてこれが初めてだという。NTT Comが、ミランティスにとって初のデータセンターパートナーとなった理由は、両社の共通の顧客などの間で、OpenStackの専有型クラウドのニーズが顕在化しており、今後大きな事業機会になるという点で両社の考えが一致したこと、そしてNTT Comが世界で有数のデータセンター事業者だということにあるとしている。

 NTT Comはデータセンターを世界で約140拠点展開している。特に欧州では、英Gyron、独e-shelterの買収により、データセンター事業者として最大手の1社になっている。クラウドサービスのEnterpise Cloudは世界14拠点で展開している。

 NTT Comは、今回のサービスの競合優位性として、このように欧米を中心として世界をカバーしていること、主要データセンター間が10Gbpsで接続されていること、顧客拠点までのエンド・ツー・エンドの接続を提供できること、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureなど、他のクラウド事業者との高速接続を提供していること、さらにこれらをSDNで提供でき、顧客がポータルを通じて統合的に管理できることを挙げている。

 ミランティスは最近Kubernetesに力を入れており、NTT ComはCloud Foundryを推進している。両社はOpenStack上のPaaS/コンテナ環境についても、協力していくという。

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