インテル、「完全自動運転技術」に2億5000万ドル以上を新規投資へ今後2年間で

インテルのブライアン・クルザニッチCEOが「LAオートショー」の基調講演で、自動運転車の技術に今後2年間で2億5000万ドル(約270億円)の新規投資を行うと発表。自動車業界と連携して、「完全自動運転」の実現を目指す。

» 2016年11月17日 11時30分 公開
[@IT]

 米インテル CEO(最高経営責任者)のブライアン・クルザニッチ氏は2016年11月15日(米国時間)、米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された国際自動車展示会「LAオートショー」の基調講演で、インテルの投資部門Intel Capitalが完全自動運転の実現に向けて、今後2年間で2億5000万ドル(約270億円)以上の新規投資を行うと発表した。

ブライアン・クルザニッチ氏 米インテル CEOのブライアン・クルザニッチ氏

 インテルが自動車業界関連の大型展示会で基調講演を行うのは今回が初という。このことは、自動車市場がインテルにとっていかに重要になったかを示している。こうした投資は、次世代の接続/通信/コンテキスト認識/ディープラーニング/セキュリティ/安全性などの限界を広げる技術の開発を後押しすると、インテルは述べている。

 クルザニッチ氏は、新規投資の恩恵を受けると予想される分野の1つとして、「交通」におけるグローバルなIoT(Internet of Things:モノのインターネット)イノベーションを促進する技術を挙げた。この分野の技術は、危険や事故のリスクを直接軽減すると共に、安全性やモビリティ、効率性の向上、そして低コスト化を実現するという。さらに同氏は、データの価値を利用して自動運転システムの信頼性向上に取り組む企業にも、こうした新規投資の恩恵が受けられるだろうと述べた。

 またクルザニッチ氏は、自動車およびIT業界の多数の聴衆を前に、「自動車業界は大きな変革期を迎えており、かつてないレベルのコンピューティング、インテリジェンス、接続性を必要としている」と強く語った。

 「自動運転車にはさまざまなセンサー、ソナー、カメラ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging:光/レーザーを用いたリモートセンシング技術の1つ)が組み込まれ、毎日、車1台当たり4000GB以上のデータが生成されるようになる。業界はこうしたデータの洪水に備える必要がある」(クルザニッチ氏)

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 自動運転車は、つい5年前の2011年時点では空想上の乗り物のように思われていた。しかし2016年現在では、実用化による事故の減少や安全向上への貢献が具体的に見え、「それならば完全自動運転も」と期待されるようになっている。インテルは、米国では自動運転車が年間1210億ドル(約13.2兆円)相当の時間や燃料の無駄を解消し、あらゆる人に、これまでにないレベルの移動の機会を提供するとの見通しを示している。

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