会社では、仕事で扱うファイルをみんなで共有することがよくあります。
「ファイルサーバー」は、ネットワーク経由でファイルを共有できるようにするサーバーです★。
ネットワーク経由で扱える外付けハードディスクが家庭用/ビジネス用として販売されていますが、あれもファイルサーバーです。
ネットワークを経由して1台のプリンターを大勢で使えるようにするサーバーが「プリンターサーバー」です。
USBケーブルなどを使ってパソコンと直接繋がったプリンターは、接続元のパソコンからしか利用できません。プリンターサーバーを導入すると、ネットワークを介して印刷ができるようになるので、プリンターを有効に活用できます。
もっとも、最近ではプリンター自体にプリンターサーバー機能を内蔵していることもあります。そのようなプリンターは、ネットワークに接続して設定するだけで、共有プリンターとして利用できるようになります。
プリンターサーバー機能を内蔵していないプリンターであっても、Linuxサーバーをプリンターサーバーとすることで、ネットワーク上で共有できるようになります。
郵便物は、各地の中央郵便局を経由して宛先に送り届けられます。メールの配送において、中央郵便局と似たような役割を果たしているのが「メールサーバー」です。
メールサーバーは、パソコンやスマートフォンから送信されたメールを受け取り(図ではメールサーバーA)、適切なメールサーバー(メールサーバーB)に配送します。届いたメールは利用者ごとのメールボックスに入ります。受け取り側は、メールサーバーBのメールボックスからメールを取り出して受け取ります。
最近は、Webブラウザーやスマートフォンのアプリから直接メールを操作できるようになっていますが、それはWebサーバーやアプリからメールサーバーを利用しているのです。
インターネット上のコンピューターは「192.168.11.15」といったIPアドレスが割り当てられています。IPアドレスは通信の宛先や送信元に使われます。つまり、IPアドレスがわからなければ、インターネット上のサーバーにはアクセスできない、ということになります。
けれども、数字ばかりのIPアドレスを扱うのは大変です。「www.example.com」のような、わかりやすい名前(ホスト名)の方が扱いやすいですよね。
そこで「DNSサーバー」の登場です。DNSサーバーは、IPアドレスとホスト名を相互に変換する★サーバーです。DNSサーバーに問い合わせると、ホスト名に対応するIPアドレスを教えてもらえます。
これを名前解決といいます。
IPアドレスを知らなくてもインターネットの利用に不便を感じないのは、DNSサーバーのおかげなのです。
サーバー管理では、ネットワーク経由でサーバーに遠隔ログイン(リモートログイン)して操作をすることがよくあります。その際、安全なリモートログインを実現するのが「SSHサーバー」です。
たいていのLinuxディストリビューションではSSHサーバーが標準的に起動していて、安全にリモートログインすることができます。また、ネットワーク経由のファイル転送にも利用できます。
リモートログインには、Telnetという方法もあります。Telnetでは、通信が暗号化されず、もしネットワークを盗聴されていると、パスワードなどが筒抜けとなってしまいます。現在ではTelnetを使用せずSSHを使うのが基本となっています。
インターネット上のWebサーバーへ、クライアントのWebブラウザーの代わりに代理で接続するサーバーが「プロキシサーバー」です。
Webブラウザーから直接インターネットに接続させないことでセキュリティを向上させたり、集中的にアクセス制御を行って危険なサイトに接続させないようにしたりすることができます。また、一度アクセスしたWebサイトの情報を蓄えておく(キャッシュする)ことによって、Webブラウザーからの二度目以降のアクセスにすばやく応答を返すことができるメリットもあります。
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