@ComponentデコレーターのtemplateパラメーターやtemplateUrlパラメーターを使って、コンポーネントにテンプレート(ビュー)を適用する方法を説明する。
※現在では、Web標準技術を利用したアプリ開発が広く普及し、そのためのフレームワークも多数存在しています。その中でも主流のフレームワークの1つである「Angular」を活用し、そのための知識を備えることには大きな意味があります。本連載は、Angularユーザーに向けて、その使いこなしTIPSを紹介するものです。なお、本連載は「Build Insider」で公開していた連載「Angular Tips」を同サイトおよび筆者の了解を得たうえで、本フォーラムに移行したものです。記事はBuild Insiderで公開した状態のまま移行しているため、用語統一などの基準が@ITの通常の記事とは異なる場合があります。
Angular 2/4対応。v2時点で執筆し、v4時点で内容を確認・検証しました。
コンポーネントにテンプレート(ビュー)を適用するには、@Componentデコレーターのtemplate/templateUrlいずれかのパラメーターを利用します。本稿では、それぞれの方法について解説します。
数行程度の簡単なテンプレートを定義するならば、templateパラメーターを利用するのが便利です。文字列としてテンプレートを指定できますので、コンポーネントファイル1つにクラス定義もビュー定義もまとめて記述できます。リスト1はそのコード例で、その実行結果が図1です(※Angular 2アプリの基本構造や実行の仕方は、別稿「TIPS:Angular 2を利用するには?(実装編)」を参照)。
import { Component } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'app-root',
template: `<h1>{{title}}</h1>
<p class="main">{{contents}}</p>`
})
export class AppComponent {
title = 'Angular 2 TIPS';
contents = '皆で頑張って、Angular 2を覚えましょう!';
}
templateパラメーターの設定値(文字列)が、シングルクォート/ダブルクォートではなく、バッククォート(`〜`)でくくられている点に注目です。これは、TypeScript/ECMAScript 2015の構文で「テンプレート文字列」と呼ばれます。テンプレート文字列を利用することで、複数行にまたがる文字列を1つの文字列リテラルとして表現できるようになります。テンプレート定義に際してはよく利用されますので、覚えておきましょう。
一般的なJavaScriptであれば、以下のように表現していたところです。
template: "<h1>{{title}}</h1>\n <p class=\"main\">{{contents}}</p>"
templateパラメーターは、@Componentデコレーターにテンプレートをハードコーディングするというその性質上、テンプレートが大きくなった場合に、コードの見通しが劣化しやすいという問題があります。一定以上の規模のテンプレートであれば、外部ファイル化し、templateUrlパラメーターでインポートするのが望ましいでしょう(リスト3、リスト4)。
import { Component } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'app-root',
templateUrl: 'app/app.component.html'
})
export class AppComponent {
title = 'Angular 2 TIPS';
contents = '皆で頑張って、Angular 2を覚えましょう!';
}
<h1>{{title}}</h1>
<p class="main">{{contents}}</p>
結果は、先ほどと同じになるはずです。
なお、templateUrlパラメーターを指定する場合には、コンポーネントファイルからの相対パスではなく、アプリケーションルートからのパスを指定する点に注意してください。
処理対象:テンプレート カテゴリ:基本
API:@Component カテゴリ:@angular > core > Component decorator(コンポーネントデコレーター)
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