IoTプラットフォームサービスを提供しているソラコムは2017年2月7日、省電力無線通信技術LoRaWANへの対応を発表した。これにより同社は事実上、3G/LTE通信に加え、LoRaWANを使ったIoT接続サービス事業者になったといえる。
IoTプラットフォームサービスを提供しているソラコムは2017年2月7日、省電力無線通信技術LoRaWANへの正式対応を発表した。では「LoRaWANへの正式対応」とは何を意味するのか。
ソラコムは2016年7月、LoRaWAN関連企業のM2B通信企画に出資、LoRaWANのPoCキットを限定的に発売した。ファームノート、博報堂アイスタジオなどがユーザーになっているという。
今回の発表では、LoRaWAN対応ゲートウェイおよびデバイスとLoRaWAN接続サービスを広く提供することになった。同社は「所有モデル」と「共有サービスモデル」の2通りでこれを提供する。後者では、ソラコムのLoRaWAN事業者としての側面が色濃くなる。
まず所有モデルでは、LoRaWAN を利用したいユーザーが、自身で LoRaWAN ゲートウェイを購入して「所有」し、プライベートネットワークを構築できる。この場合の料金体系は、ゲートウェイ単位となっている。すなわち、LoRaWANゲートウェイの購入料金と1台当たりの月額利用料金で構成されている。これに、LoRaWANゲートウェイから3G/LTEによるSORACOMサービスへの接続、および月額利用料金と同額のアプリケーションサービスの利用料が含まれている。
2月7日時点では、ゲートウェイ1種類と、LoRaWANデバイス1種類(LoRa デバイスと Aruduino シールドのセット)をSORACOM ユーザーコンソール経由で購入できる。今後、ゲートウェイとデバイスのラインアップは拡充していくという。
一方、共有サービスモデルは、ソラコムの所有するLoRaWANゲートウェイを、ユーザーが所有するLoRa対応デバイスから利用する形態になる。ユーザーが設置したい場所をソラコムに伝えて設置する。ゲートウェイの場所は公開され、他のユーザーも使えるようになる。
こちらは登録費用と、利用するLoRaWANゲートウェイ1台当たりの月額料金がかかる。共有サービスモデルの場合も、LoRaWANゲートウェイから3G/LTEによるSORACOMサービスへの接続、および月額利用料金と同額のアプリケーションサービスの利用料が含まれている。所有サービスと比較して、より低コストでLoRaWAN接続環境が利用でき、検証などに適しているという。
共有サービスのゲートウェイについて、ソラコムは既に十数カ所に設置されていると説明している。今後共有サービスモデルの利用が増えれば、このLoRaWANインフラはさらに広がっていくことになる。
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