あの“津崎さん”も保有する難関資格「データベーススペシャリスト」。本企画では、データベーススペシャリスト試験 午前/午後試験対策のための「基礎知識」を抜粋してお届けします。今回は、「特殊な正規形の基礎」を解説します。
書籍の中から有用な技術情報をピックアップして紹介する本シリーズ。今回は、秀和システム発行の書籍ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版](2015年12月22日発行)』からの抜粋です。
ご注意:本稿は、著者及び出版社の許可を得て、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。
※編集部注:前回記事「「正規化理論」を理解する」はこちら
出題頻度 午前II:●-- 午後I:●-- 午後II:---
●--:過去14年間での過去問出題数が1〜9回
●●-:過去14年間での過去問出題数が10〜19回
●●●:過去14年間での過去問出題数が20回以上
●ボイス・コッド正規形、多値従属性、第4正規形、結合従属性、第5正規形
すべての関数従属の決定項がスーパーキー(候補キー)であるような第3正規形をボイス・コッド正規形と呼びます。ほとんどの第3正規形はボイス・コッド正規形を満たしますが、複数の属性からなる候補キーが複数存在する場合に満たさないことがあります。以下の例では、第3正規形の条件は満たしますが、非キーである「担当医師」に「診療科」が関数従属していることからボイス・コッド正規形の条件は満たしません。
この状態では「患者が来なければ、担当医師や診療科の情報を登録できない」という挿入時異状等の問題が発生しますが、次のようにボイス・コッド正規形を満たすように分解すればその問題は解決します。
第4正規形を説明する前に、その説明に必要となる多値従属性について説明します。多値従属性とは、Aが決まるとBの集合が決まるという関係のことであり、A→→Bと表記します。
多値従属性A→→Bが存在するとき、全ての属性がAに関数従属する場合、その関係を第4正規形と呼びます。左下の表では、部活→→部員、部活→→備品の両方の関係が同時に一つの表に表現されており、A→→Bが存在するとはいえないため、第4正規形は満たしません。この状態では「冗長性」「挿入時異状」等の問題がありますが、右下の表のように第4正規形にすることで解決できます。
第5正規形を説明する前に、その説明に必要となる結合従属性について説明します。結合従属性とは、分解によって得られる表が結合によって、もとの表に戻ることが可能である性質のことを指します。
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