「関係代数」を理解する「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメ(11)(1/3 ページ)

あの“津崎さん”も保有する難関資格「データベーススペシャリスト」。本企画では、データベーススペシャリスト試験 午前/午後試験対策のための「基礎知識」を抜粋してお届けします。今回は、「関係代数の基礎」を解説します。

» 2017年07月04日 05時00分 公開

連載目次

ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版]

書籍の中から有用な技術情報をピックアップして紹介する本シリーズ。今回は、秀和システム発行の書籍ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版](2015年12月22日発行)』からの抜粋です。

ご注意:本稿は、著者及び出版社の許可を得て、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。


※編集部注:前回記事「「特殊な正規形」を理解する」はこちら

関係代数

出題頻度 午前II:●●● 午後I:●-- 午後II:---


 ●--:過去14年間での過去問出題数が1〜9回
 ●●-:過去14年間での過去問出題数が10〜19回
 ●●●:過去14年間での過去問出題数が20回以上


Key Word

関係代数、和、差、積、直積、関係演算、選択、射影、等結合、自然結合


 関係代数とは、関係モデルにおける演算体系のことであり、集合演算と対応しています。以下のテーブルと集合を例に説明します。

テーブルと集合

(1)和(union)

 2つのテーブルの論理和(OR)の演算であり、R∪Sと表現します。「RとSを併せた全ての部分」と同じ意味になります。

和(union)

(2)差(difference)

 2つのテーブルの差分を得る演算で、R−Sと表現します。「Rに含まれ、かつ、Sに含まれない部分」と同じ意味になります。

差(difference)

(3)積(intersection)

 2つのテーブルの共通集合(AND)の演算であり、R∩Sと表現します。「RとSに共通して含まれる部分」と同じ意味になります。

積(intersection)

(4)直積(cartesian product)

 2つのテーブルの全ての行の組合せを得る演算であり、R×Sと表現します。

社員番号 社員名 所属部署 社員番号 社員名 所属部署
001 安達 営業部 002 伊藤 総務部
002 伊藤 総務部 002 伊藤 総務部
003 宇部 総務部 002 伊藤 総務部
001 安達 営業部 003 宇部 総務部
002 伊藤 総務部 003 宇部 総務部
003 宇部 総務部 003 宇部 総務部
001 安達 営業部 004 江田 技術部
002 伊藤 総務部 004 江田 技術部
003 宇部 総務部 004 江田 技術部

Chance問題

演習10-1

 関係代数における直積に関する記述として、適切なものはどれか。

ア ある属性の値に条件を付加し、その条件を満たすすべてのタプルの集合である。

イ ある一つの関係の指定された属性だけを残して、ほかの属性を取り去って得られる属性の集合である。

ウ 二つの関係における、あらかじめ指定されている二つの属性の2項関係を満たすすべてのタプルの組合せの集合である。

エ 二つの関係における、すべてのタプルの組合せの集合である。

(H20春DB午前問27)


解答 演習10-1 

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Chance問題

演習10-2

 関係RとSにおいて、R÷Sの関係演算結果として、適切なものはどれか。ここで、÷は除算を表す。

演習10-2

(H27春DB午前II問9)


解答 演習10-2 

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Chance問題

演習10-3

 関係Rと関係Sから、関係代数演算R÷Sで得られるものはどれか。ここで、÷は商の演算を表す。

演習10-3

(H23春DB午前II問9)


解答 演習10-3 

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