2017年4月にサポートが終了するWindows Vistaについては、その対応について、これといった話を聞きません。なので、一応、確認してみました。そのために、Windows Vista Service Pack 2(SP2)を新規インストールし、Microsoft Security Essentialsを導入し、さらに現在もWindows Vistaでサポートされている「Internet Explorer(IE)9」にアップグレードして、サポート終了前後の様子を追跡しようと考えました。しかし、先に言っておくと、その志は半ばで止まっています。なぜなら、一筋縄ではいかなかったからです。
Windows Vista(今回は32ビットのx86版)SP2のインストールメディアから仮想マシンに新規インストールし、Windows Updateを手動で実行して、最新の状態に更新しようとしたところ、Windows Updateは一向に進む気配がありません。
先にMicrosoft Security Essentialsをインストールしようと思い、「Microsoftセーフティとセキュリティセンター」サイトにある「無料のウイルス対策プログラムをダウンロードする」リンクをクリックしたところ、今度は「お使いのブラウザーはサポートされていません、このサイトを利用するには、ブラウザーを更新する必要があります」と表示されました(画面3)。
表示された画面内にある「Internet Explorerを最新バージョンに更新する」のリンクをクリックして「01 Internet Explorer 9」(IE9-WindowsVista-x86-jpn.exe)をダウンロードし、インストールしようとしましたが、何度やっても失敗します。Windows Vistaのデスクトップに作成された「Internet Explorerトラブルシューティング」のショートカットをクリックすると、また「お使いのブラウザーはサポートされていません」のメッセージが表示されます(画面4)。ショートカットのリンク先を別のコンピュータで参照し、手動でインストールできる前提コンポ―ントが2つあったので、それらを個別にインストールしましたが、改善しませんでした。
そこで、IE 9のダウンロードページにあった「02 Internet Explorer 9(32-bit)」(BOIE9_JAJP_BO0085_VIS.EXE)を試してみました。こちらは、BingとMSNが設定済みのカスタマイズ版のようです。こちらはすんなりインストールできましたが、なぜかユーザーインタフェース(UI)が全て英語になっていました(ページの文字化けは別の問題)。どうやら、「03 Windows Vista と Windows Server 2008 向け Windows Internet Explorer 9 の言語パック」(IE9-Windows6.0-LanguagePack-x86-jpn.msu)もインストールする必要があるようです。言語パックをインストールすると、無事に日本語化されました。
インストールされたIE 9を初めて起動すると、「Internet Explorerのヘルプ」が開きました(画面5)。そこには、「2017年4月11日に、Windows Vistaのサポートが終了します。保護を継続する方法を確認してください。」とありました。リンク先には、Windows 10を購入してアップグレードする(おそらく古いPCでは動かないという注意付き)、またはPCを新たに購入するという、ユーザーにとっては悲しいお知らせを確認できます。この「お知らせ」のヘッダは、マイクロソフトのサポートページ(https://support.microsoft.com/)にWindows Vistaからアクセスすると表示されるようです。第1の「お知らせ」が見つかりました。
ここまで来て、ようやくMicrosoft Security Essentialsのインストールです。インストールが完了し、最初のエンジンおよび定義ファイルの更新が始まると、更新中に「このオペレーティングシステムのサポートは間もなく終了します。終了後は、Microsoft Security Essentialsがサポートされなくなるため、PCが保護されない状態になる可能性があります……」というメッセージがポップアップされました(画面6)。
同じメッセージは、Microsoft Security Essentialsの「ホーム」タブにも表示されるようになり、PCはクリーンな状態であっても、常に「PCの状態:保護されていない可能性があります」の表示になります。この動作がいつからなのかは分かりませんが、Microsoft Security Essentialsユーザーには既に「お知らせ」が通知されていたようです。
この「お知らせ」は、その後のログオンで、Microsoft Security Essentialsのアイコンが「通知領域」に表示されるときにもポップアップするようになりました。今後、Windows XPと同じ道を歩むなら、2017年4月11日を過ぎると猶予期間に入り「PCの状態:危険」の表示に、そして数カ月後にサービスが強制的に停止されて無効化されるのですが、今回は猶予期間は用意されないかもしれません。
Windows VistaのMicrosoft Security Essentials(およびEndpoint Security製品)のユーザーの方は、今後の発表を注視してください。
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