マイクロソフトは、「Visual Studio」向け拡張機能「Continuous Delivery Tools for Visual Studio」の最新版を公開。GitHub対応、ビルド通知などの新機能を追加した。
米マイクロソフトは2017年4月3日(米国時間)、ソフトウェア開発環境「Visual Studio」にDevOps支援機能などを付加する拡張機能「Continuous Delivery Tools for Visual Studio(以下、Continuous Delivery Tools)」の最新版を公開した。
Continuous Delivery Toolsは、開発ツール向けの新機能の一部を実験的に先行実現するツールと位置付けられ、サポート対象外の「Microsoft DevLabs拡張機能」として提供されている。最新版(バージョン0.2.235.55646)は2017年4月1日に公開され、Visual Studio 2017 RC3以降で利用できる。
Continuous Delivery Toolsの最新版では、バグ修正や使い勝手の向上などの他に、GitHubリポジトリを使用するCD(Continuous Delivery:継続的デリバリー)パイプラインの構成のサポートや、ユーザーが手動で、あるいはCI(Continuous Integration:継続的インテグレーション)イベントやプルリクエスト(PR)によってトリガーした全てのビルドを通知する機能などが追加された。
追加機能の概要は以下の通り。
従来バージョンまでのContinuous Delivery Toolsでユーザーから多く寄せられた要望の1つとして、「Visual Studio Team ServicesのGitリポジトリにコードを置いていない場合、この拡張でどうやってCDパイプラインをセットアップするのか」だったという。最新版では、まずGitHubのGitリポジトリをサポートした。追って「TFVC(Team Foundation Version Control)」のサポートも視野に入れる。
Gitリポジトリに対応する「GitHub Extension for Visual Studio」をインストールすることで、Visual Studioのステータスバーへ「Add to Source Control」ボタンが表れる。数回のクリックでGitHubにリポジトリが用意され、そこへコードを容易にプッシュできるようになる。
続いて、「ソリューションエクスプローラー」でASP.NETプロジェクトを右クリックし、「Configure Continuous Delivery」を選択すると開くウィザードに「GitHub Personal Access Token(PAT)」を入力するための新しいフィールドが追加される。これにより「コードがGitHubリポジトリにプッシュされた」ことをトリガーにしたビルドとリリースが可能になる。
また、これまでContinuous Delivery Toolsでは、ユーザーがCDパイプラインのセットアップに失敗した場合、「バージョン管理がなされていないプロジェクトでウィザードを実行していた」「ユーザーがAzureサブスクリプションを持っていなかった」ことが原因であるケースが多かった。最新版では、これらの問題の発生が減るように改良が加えられている。
Continuous Delivery Toolsの提供とともに、開発環境では、どんなDevOpsアクティビティーについて、いつ、どこで通知が行われるべきかを巡ってさまざまな議論が交わされた。このニーズに対応するには、構成が重要なことがあらためて明らかになり、「自分がトリガーしたイベントの通知」を希望する声が特に多かったという。
そこでContinuous Delivery Toolsの最新版では、ユーザーがTeam Projectでアクティブリポジトリを用い、自分でトリガーした全てのビルドについて、失敗、修正、成功の通知を生成できるようにした。Continuous Delivery Toolsで初めてCDパイプラインを構成したときに加え、ユーザーがコードプッシュやプルリクエストによって、自動的、あるいはTeam Servicesから手動でビルドをトリガーするたびに、通知が表示されるようになる。
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