Cドライブやその他の場所に自動生成された「.rnd」ファイルは、もう用は済んでいるので、削除しても問題はありません。必要があれば再作成されます。削除するには単純にエクスプローラー(Explorer.exe)やコマンドプロンプトから、通常のファイル削除と同じように操作します。しかし、Windowsユーザーの中には、ドット(.)で始まるファイル名やディレクトリ名は扱えないと拡大解釈している人が少なからずいるようです。
UNIXやLinuxでは、ドットから始まるファイル名やディレクトリ名は「隠しファイル」「隠しディレクトリ」として扱われ、オプションなしの「ls」コマンド(Windowsの「DIR」コマンドに相当)には表示されません。UNIXベースのmacOS(Mac OS X)も同様です。
ドット始まりのファイル名やディレクトリ名は、慣例的に、デスクトップ環境やアプリケーションの初期化ファイル、設定データの保存に利用されてきました(例えば、Xウィンドウシステムの「~/.xinitrc」や「~/.xsession」、macOSが共有フォルダに作成する「.DS_Store」など)。Windowsでは、隠し属性はファイルの属性として別に保持しているため、ドットから始まる名前を非表示として扱うことはせず、そのまま表示します。また、ファイルをメモ帳などで開くこともできますし、ディレクトリに移動することもできます。
ドットから始まる名前の制限は、エクスプローラーでファイルやディレクトリを新規作成する際に、それができないという、エクスプローラー(Explorer.exe)の仕様があるだけです(画面5)。
エクスプローラーは既定でファイルの拡張子(名前の最後のドットから後ろ)を表示せず、拡張子を除いた部分をファイル名(ファイルベース名)として扱います。筆者はエクスプローラーがファイルの拡張子を表示しないという既定の設定が大嫌いなので、Windowsを新規セットアップすると、すぐにファイルの拡張子を表示するように切り替えてしまいます。
例えば、拡張子を表示する設定で、エクスプローラーで任意のディレクトリ内で右クリックし、コンテキストメニューからテキストファイルを新規作成したとしましょう。すると、ファイル名の部分を変更できるように「名前の変更」待ちになります。同じことを拡張子を表示させない既定の設定のまま行う場合、それはファイル名を入力しない行為と同じです(画面6)。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows Server 2016テクノロジ入門−完全版』(日経BP社)。
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