NTTPC、第2弾のSD-WANサービスを提供へ、「将来はこれが主流」初期費用ゼロ、月額1万7000円

NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)は2017年5月30日、新たなSD-WANサービス「Master’sONE CloudWAN Nプラン」を2017年6月6日に提供開始すると発表した。これは、中堅・中小企業が求める機能を安価に提供するサービス。NTTPCは、新サービスが将来の同社ビジネスにおいて主流になっていくだろうとしている。

» 2017年05月30日 15時00分 公開
[三木泉@IT]

 NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)は2017年5月30日、新たなSD-WANサービス「Master’sONE CloudWAN Nプラン」を2017年6月6日に提供開始すると発表した。これは、中堅・中小企業が求める機能を安価に提供するサービス。同社は同時に、ディメンション・データを親会社とする南アフリカの通信プロバイダー、Internet Solutionsを通じても、同じサービスを提供開始する。

 NTTPCは2017年1月、Viptelaの製品/サービスを採用したSD-WANサービス「Master’sONE CloudWAN Vプラン」を発表していた。今後ViptelaベースのSD-WANサービスではより規模の大きな企業を、今回のNプランでは規模が比較的小さい企業を主なターゲットとして、新たな顧客を開拓していくという。NTTPCはこれまで、中堅・中小企業顧客をメインとしたビジネスを展開してきており、「将来は今回の新サービスがNTTPCにおけるほとんどのネットワークビジネスに絡んでくる」という。

新サービスは、NTTグループがシリコンバレーに構える研究開発拠点であるNTT I3(アイキューブ)によって開発された技術を製品化したもの。独自のCPE(エッジ機器)を設置し、これを通じてVPNによるオーバーレイネットワークを構築、インテリジェントなトラフィックの振り分けをする点は一般的なSD-WAN機器と同じ。

 最大の特徴は価格にある。エッジ機器代はかからず、初期費用はゼロ円。月額料金は1拠点当たり1万7000円。機器はゼロタッチ・プロビジョニングを目指していて、当初はDHCPのみに対応しているが、2017年7月にはPPPoEへの対応も行う。機器は4営業日以内に拠点へ送られ、ユーザー企業の担当者あるいは販売パートナーが設置する。

 トラフィックの振り分け機能については、当初アプリケーションごとにメイン/バックアップ回線を指定できるだけだが、2017年9月のアップデートにより、アプリケーションごとに優先する回線を選択し、その後パケットインスペクション機能で、遅延などの値に基づいて回線間の動的なトラフィック振り分けができるようになるという。

SaaSとして提供される管理コンソールで、比較的簡単にエッジ機器の設定ができる

 他の機能強化予定としては、2017年7月にAmazon Web Services、NTT ComのEnterprise Cloud、Microsoft Azureなどのパブリッククラウド上で動く仮想マシン形式のエッジソフトウェアを提供して、各拠点からクラウドへ直接VPNを張れるようにする。また、2017年9月以降、エッジ機器上でさまざまなセキュリティ機能を提供していく予定がある。パートナーがアドオンソフトを提供するようなエコシステムを構築したいという。4G/LTEへの対応も、日本の中堅・中小企業にとっては必須であるため、時期は未定ながら行うという。

 NTTPCでは、中堅・中小企業のWAN運用を代行しているシステムインテグレーター、ネットワークインテグレーターなどが重要な顧客になるだろうという。対応する中堅・中小企業のニーズとしては、NTT系と電力系の回線を使った冗長化、Office365に代表される、大量の通信を行うクラウドサービスなどに対処するための「インターネット・ブレイクアウト」(各拠点からクラウドへの直接通信)、多店舗業態におけるWANルータの初期設定や接続ポリシー適用の集中化・遠隔化による効率向上などが挙げられるという。

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