4月に電波法違反には問えないと無罪判決が出ていた無線LANのタダ乗り。5月10日には東京地方検察庁が控訴しないことになり、タダ乗りの無罪が確定しました。これによって無線LANのアクセスポイント(AP)を勝手に使用するだけでは、現行法で罪に問うことが難しくなったようです。
これに反応したのが総務省。無罪判決を認めないかのように、5月12日、WEP形式で暗号化されたAPの暗号化鍵を解析する行為は、電波法第109条に抵触する可能性があると主張し始めます。WEPクラックするために必要なARP(Address Resolution Protocol)パケットを受信することが、通信の秘密を侵害しているということです。
これに対してTLではさまざまな意見がツイートされました。
鍵を抜く行為は違法だと思うという意見や、総務省の見解の方がしっくりくるという意見がありました。逆に司法で無罪だというのに行政が違法だというのはおかしいという意見、アクセスポイントから送信されるARPパケットは誰でも読めるようになっているのに通信の秘密でも何でもないという意見、さらには罪に問えるようにするための法改正が必要だという意見もツイートされていました。
WEPという簡単にキーを割り出すことが可能な古い暗号化形式を使っていたために乗っ取られたのだから、法律よりも、そもそもWEPを使ってはいけないと指摘するツイートもありました。
この他にも5月のセキュリティクラスタは次のような話題で盛り上がっていました。6月はどのようなことが起きるのでしょうね。
山本洋介山(NTTコミュニケーションズ株式会社)
Webサイトの脆弱性を探す仕事の傍ら「twitterセキュリティネタまとめ」というブログを日々更新しているTwitterウォッチャー。たまにバグバウンティもしています。
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