以下、DNSに関して幾つか補足しておく。
DNSラウンドロビンとは、1つのドメイン名やホスト名に対して、複数のIPアドレスを割り当てて、負荷分散を図る方式である。ドメインのAレコードを定義する場合、通常は1つの名前に対して1つのIPアドレスを割り当てるが、これを複数割り当てることもできる。こうしておくと、DNSの問い合わせ結果には割り当てたIPアドレスが全部返されるが、2回目以降はその並びが少しずれていることが分かる。これを「DNSラウンドロビン」という。
C:\>nslookup microsoft.com …DNS検索してみる
サーバー: server01.example.jp
Address: 10.20.2.101
権限のない回答:
名前: microsoft.com
Addresses: 23.100.122.175 …IPアドレスが5つ返ってきた
23.96.52.53
191.239.213.197
104.40.211.35
104.43.195.251
C:\>nslookup microsoft.com …もう一度同じ検索を繰り返す
サーバー: server01.example.jp
Address: 10.20.2.101
権限のない回答:
名前: microsoft.com
Addresses: 23.96.52.53 …IPアドレスがやはり5つ返ってきた。よくみると、1つ分ずれている
191.239.213.197
104.40.211.35
104.43.195.251
23.100.122.175
C:\>
クライアントプログラムでは返ってきた結果のうち、いずれを使ってもよいが、通常はどれか1つ、例えば先頭のエントリを使うだろう。
その結果、DNSで問い合わせを行うたびに異なるIPアドレスを使うことになる。多数のクライアントがあれば、利用されるIPアドレスはさらに分散することになる。
DNSによる名前解決はルートから階層的にドメインツリーをたどることによって行われるが、このルートゾーンに関するSOAレコードを持っていて、全ての検索の元となるDNSサーバをルートサーバという。ルートサーバの情報は、OSのインストール時などにデフォルトでシステムにセットされているが、時々更新されることもある。
Windows Server OSの場合は、DNSサーバ管理ツールで[ルートヒント]タブを開くと確認できる。
プライマリDNSサーバやセカンダリDNSサーバに似た言葉として、「優先(Preferred)DNSサーバ」「代替(Alternate)DNSサーバ」という用語もある。ネットワークインターフェースアダプターのプロパティ画面を開き、TCP/IPv4のプロパティ画面を見ると、DNS欄にこの2つのIPアドレス情報を入力する場所が表示されている。
だがこの2つは、DNSサーバの種類とは全く関係ない。TCP/IPのプロパティ画面ではDNSサーバのIPアドレスを2台分入力できるが(複数のインターフェイスがある場合は、そこでもセットできる)、これはどのDNSサーバを優先して利用するかを決めるためのものである。
DNSサーバを複数セットした場合、最初に優先度の高いインターフェイスの優先DNSサーバが使われ、応答が得られなければ、次は代替DNSサーバ、他のインターフェイスのDNSサーバ、……という順番でDNS検索が行われる。詳細については、以下のページを参照していただきたい。
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