Windows 10の「設定」アプリではさまざまな設定が可能ですが、目的の場所にたどり着くのに苦労することがあります。ときには、どこに設定があったか忘れてしまうことも。Windows 10の「Cortana」に統合された検索機能を使うこともできますが、「ms-settings:URI」を知っていると便利ですよ。
Windows VistaからWindows 8.1までは「ファイル名を指定して実行」に「wuapp」と入力することで、コントロールパネルの「システムとセキュリティ」→「Windows Update」を開くことができました(画面1)。この方法を知っていると、Windows Updateを素早く開始できるので便利です。
しかし、Windows 10にはwuapp(C:\Windows\System32\wuapp.exe)が存在しません(画面2)。Windows 10では「ファイル名を指定して実行」に「ms-settings:windowsupdate」と入力することで、「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」の場所を素早く開くことができます(画面3)。
また、「ms-settings:windowsupdate-action」と入力すると、Windows Updateの場所を開くだけでなく、「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックしたときと同じように、素早くチェックを開始できます。さらに、「ms-settings:windowsupdate-options」や「ms-settings:windowsupdate-history」と入力すると、「詳細オプション」や「更新の履歴」を素早く開くことができます。
単に「ms-settings:」と入力するか、[Windows]+[I]キーを押すと、「設定」のホーム画面が開きます(既に「設定」で別の場所を開いている場合は、現在開いている場所のまま、「設定」ウィンドウがアクティブになります)。なお、コマンドプロンプトやWindows PowerShellから実行する場合は、「start ms-settings:windowsupdate」のように入力してください。
IT部門のスタッフなど、Windows 8.1以前とWindows 10が混在する環境で作業する方は、Windows 10で「wuapp」が使えないことを知っていても、どのバージョンのWindowsを今使っているのか考えずに、Windows 10で「wuapp」と入力してしまって、空振りすることもあるかと思います。
そんなときには、ユーザーのホームディレクトリ(%USERPROFILE%、通常、C:\Users\ユーザー名)内に「wuapp.cmd」というテキストファイルを作成し、次のようなコマンドラインを記述して保存しておくとよいでしょう。PATH環境変数内に「wuapp.cmd」を置いておくことで、「ファイル名を指定して実行」で「wuapp」と入力すると以下のコマンドラインが実行され、Windows Updateを開く(または開いてチェックを開始する)ことができます(画面4、画面5)。
@ECHO OFF start ms-settings:windowsupdate(または start ms-settings:windowsupdate-action)
おそらく、この他にも「ms-settings:」で呼び出せる設定はたくさんあるのでしょう。マイクロソフトのWebサイトを探してみたところ、以下のドキュメントに一覧を発見しました。この機能は「ms-settings:URIスキーム」と呼ばれ、Windows 10およびWindows 10 Mobileの両方で利用できるようです。
しかし、このドキュメントの一覧は、一部を示しているだけのようです。なぜなら、Windows Update関連もURIが掲載されていないからです。
そこで、Windows 10 Creators Update(バージョン1703)で利用可能と思われるms-settings:URIスキームを調べてみました。調査に使用したのは、Windows Sysinternalsの「Process Monitor(Procmon)」と「Strings」です。
Procmonでトレースを開始し、「ファイル名を指定して実行」から何かしらのms-settings:URIスキームを使用して「設定」アプリを開きます。「設定」アプリで目的の場所が開いたら、Procmonのトレースを停止し、「設定」アプリのプロセス「SystemSettings.exe」のフィルターを追加し、さらに絞り込み用のフィルターを追加して「設定」アプリが読み込んだDLLを調べます。
「C:\Windows\ImmersiveControlPanel\SystemSettings.dll」がms-settings:URIスキームに関連しているようだと当たりを付け、Stringsでバイナリに含まれる文字列を検索して、「ms-settings:」を含むものがないかどうかを調べます。その結果、125個のms-settings:URIスキーマが見つかりました(画面6)。
次ページの表1は、Windows 10 バージョン1703で見つかったms-settings:URIスキームの全リストです。「?」となっているものは、特定のハードウェアデバイスやWindows 10 Mobile、HoloLens、Microsoft Surface Hubなどに依存する機能と思われ、筆者のPCでは動作が確認できなかったものです。該当する設定場所がない場合、「設定」アプリのホームが開くか、既に開いている場合は現在の場所のままウィンドウがアクティブになりました。
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