Azure Web Appsの料金はいくら? その課金の仕組みは? Azure VMとの比較も。
今回はWeb Appsの料金(課金)について見ておきます。さて、この記事執筆用に構築したWeb Apps(WordPressサイト)を1カ月動作させた結果はいくらになったでしょうか。
Azureの料金(課金)については、第5回「気になるAzureの料金を理解しよう」でも触れています。そこでは、「Azure VM」の料金について、実際の例などに基づいて紹介しました。
今回は、VMではなく、「Web Apps」の料金について見ていきます。対象となるWeb Appsは、第6回でインストールしたWordPressです。インストールしてから1カ月ほど経過した時点では、料金は次のようになっています。
Web Appsの概要画面に表示されているサブスクリプションのリンクをクリックすると料金が表示されます。
この画面を表示させた時点での、今日までの(20日間の)累積料金は約6200円です。このまま使い続けると、1カ月で約7500円になる、と表示されています。
明細は次のようになっています。
参考までに、連載第5回で紹介したAzure VMの1カ月の料金例を以下に再掲しておきます。
Azure VMの場合は約9400円でしたが、Web Appsだけだと約7500円でした。VMのサイズが異なるので(CPU数は1つで同じだが、メモリが半分以下)、直接比較はできませんが、今回使用しているプラン(Standard S1)だと少し安くなっているようです。
また、VMの場合はストレージの部分の料金(グラフ中の赤色の部分)も大きな割合を占めていました。これに対して今回のWeb Appsの場合は、Web Appsの「App Service プラン」の部分がほとんど(9割以上)を占めており、データベースの部分(Azure Database for MySQL)の部分は約100円しかかかっていません。
実サイトとして運用し、もっとデータベースへのアクセスやデータ量が増えるようならば、Web Appsの料金はさらに高くなる可能性があります。実験サイトなのでこの程度で済んでいるのでしょう。実際のコストの詳細は以下のページなどで計算してください。またサービスを利用した始めた当初は、こまめに課金の状態を確認して、意図しない課金が行われていないかチェックするとよいでしょう。
VMとWeb Appsでどちらがお得なのか……。ユーザーとしては大いに気になるところではありますが、料金の算出にはさまざまな要素が関係するので、単純な比較はできません。ある程度様子が分かるまでは、双方を実際に使ってみながら、用途に応じて使い分けられるようになる必要がありそうです。
ところでWordPressのサイトを1つ運用すると、(もちろんプランにもよりますが)1カ月7000円以上になることが分かったわけですが、これは高いでしょうか、安いでしょうか?
WordPressサイトを運用できる、個人や小規模事業者向けのVPS(Virtual Private Server)サービスなどでは、1サイト当たり1000円とか、それ以下で利用できるサービスもあります。そういったサービスと比較すれば、確かに高く思われますが、実はそれは正しい比較方法ではありません。
Web Appsでは、1つの価格プランを契約するだけで、その上で複数のWeb Apps(WordPressサイトなど)を運用することができます。メモリの使用量(今回の例だと50%ほどとなっている)からすると、もう何サイトか同時に運用できそうです。また今回は触れませんが、Azure上で動作させるとバックアップや障害発生時のリストア、他のリージョンへの移動、他のサービスと連携したアプリ開発など、いろいろな別のメリットもあります。そういう機能なども加味して比較する必要があります。
安価なVPSサービスを使うか、Azure Web Appsか。今回のような使い方で、「とにかく安く」ということであれば、VPSに軍配が上がりそうです。ただある程度信頼性が求められるサイトでは、定期的なバックアップや、障害時・高負荷時の早期かつスムースな対応が必要になります。これにはAzure Web Appsの各種サービスが大いに助けになるでしょう。例外時の要件も踏まえて、プラットフォームを選択する必要があります。
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