ダウンディテクターDev Basics/Keyword

ダウンディテクターは、通信プロバイダーや自分がよく使うWebサービスなどがダウンしているかどうかをリアルタイムで監視してくれるサービスだ。

» 2017年09月12日 05時00分 公開
[かわさきしんじInsider.NET編集部]
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 ダウンディテクター(米国向けサイトはdowndetector.com)は、IIJなどの通信プロバイダーや、TwitterなどのWebサービスがダウンしているかどうかをリアルタイムに監視してくれるサービス。ただし、ダウンディテクターはあくまでも判断材料を提供するものであり、その判断はユーザー自身に委ねられる(あるいは、公式発表を待つか、自ら問い合わせを行う必要がある)。

ダウンディテクターの概要

 ダウンディテクターは、インターネットのユーザーが毎日のように使用する各種サービスがダウンしていないかどうか、その状態をリアルタイムに監視してくれるサービスだ。

ダウンディテクター(日本向けサイト) ダウンディテクター(日本向けサイト)

 このサービスは国ごとに独自にドメインを取得して、その国を主な対象として提供されているサービスの状態を監視している。例えば、日本向けのサイトではIIJ、OCNなどの通信プロバイダーやTwitter、Amazon、Office 365などのWebサービス、幾つかの金融機関が監視の対象となっている。米国向けのサイトではより多くのサービスが監視されている。どんな企業が監視の対象となっているかは「追跡している企業/サービス一覧」ページで一覧できる(米国向けのサイトでは「All companies we track」ページ)。日本向けサイトでは監視されていないサービスもあるので(Slackなど)、それらのサービスについての情報を知りたければ、米国向けサイトなどを調べてみる必要がある。

 上の画像を見ると分かる通り、トップページにはさまざまな企業やWebサービスがタイル状に一覧表示されている。いずれかのタイルをクリックすれば、その企業やサービスについての簡単な説明とともに、過去24時間の障害発生状況が表示される。例えば、以下はTwitterのタイルをクリックしたところだ。

Twitterの過去24時間の障害発生状況 Twitterの過去24時間の障害発生状況

 グラフの右側に見えている赤い線はベースラインを示している。青い線は「そのサービスに問題がある」としたレポートの数を15分間隔でまとめたものだ(縦軸はレポート数)。青い線がベースラインよりも下にプロットされている場合には、そのサービスにはおおむね問題がないと判断できる(あるいは、サービスがダウンした直後の可能性もある)。逆に青い線がベースラインを超えてプロットされているようなら、そのサービスには障害が発生している可能性が高い。

 ダウンディテクターはTwitterなどを情報源としてそこから得られたレポートを解析しているとのことだが、何かのサービスを利用できなくなったとしても、そのサービスが実際にダウンしているとは限らない(通信プロバイダーが問題かもしれないし、ユーザーが使用しているデバイスが原因かもしれない)。その結果、あるサービスに問題がなくとも、「そのサービスが使えない」というレポートが得られる場合もある。ダウンディテクターでは、そうした場合を考慮してベースラインを決定しているとのことだ。

 また、青い線に沿ってマウスカーソルを移動すれば、特定の時間間隔におけるレポート数が表示される(例えば、上のグラフでは23時前後にTwitterで障害が発生しているというレポートが19件あったことが分かる)。

 その下には、現在発生していると思われる障害の種類と過去に発生した障害が一覧表示される(後者のリンクをクリックすると詳細な情報が表示される)。さらにその下にはダウンディテクターのサイトにユーザーが残したコメントとTwitterでのつぶやきが表示されるようになっている。これらは障害が発生したと思われる際に、より具体的な状態を知るための補足的な情報として利用できるだろう。

ユーザーがダウンディテクターに残したコメント ユーザーがダウンディテクターに残したコメント

 グラフの右隣には「現在のマップ」というタイルが表示されている。これをクリックすると、そのサービスに関する「障害発生マップ」が表示される。サービスの世界的な稼働状況の概要を知るには、このマップが役に立つかもしれない。

障害発生マップ 障害発生マップ

 この他にも右側のペーンでは、サービスで障害が発生していることを報告したり(コメントを残すにはFacebookアカウントが必要)、他の国でのサービスの状況を調べたりできるようになっている。

 また、「障害の概要」ページでは直近に発生した障害を一覧できる。表示されたリンクをクリックすると、その障害に関する詳細な情報が表示される。

直近に発生した障害を一覧表示 直近に発生した障害を一覧表示

 最後に「週間の障害発生トップ 10」ページでは障害発生件数が多いサイトが表示される。

 このように、ダウンディテクターを使うと、自分が普段使用しているサービスにアクセスできなくなったときに、そのサービスがダウンしているのかどうかを手軽に確認できる。

 ただし、注意点もある。それはあくまでもダウンディテクターは「あるサービスで障害が発生しているかどうかをユーザー自身が判断するための情報を提供している」にすぎないという点だ。ダウンディテクターは「あるサービスで障害が発生している」ことを示していると思われるレポートを収集/解析/表示するサービスであり、そこには誤検出の可能性もある。本当に障害が発生しているか否かについては公式な発表を待つか、直接問い合わせる必要があるだろう。それでも、頻繁に使用しているサービスにアクセスできなくなったときに、そのサービスの状況を何となく把握できるのは精神面では役に立つだろう。もう1つ。「Fair use policy」に従って利用する必要もある。

 なお、ダウンディテクターには大きく2種類の有償プランもある。1つは自分が興味のあるサイトをダッシュボードで管理するもので、もう1つはWeb APIを利用するものだ。詳細については「Downdetector PRO Services」ページを参照されたい。


 ダウンディテクターは、通信プロバイダーや自分がよく使うWebサービスなどがダウンしているかどうかをリアルタイムで監視してくれるサービスだ。ただし、ダウンディテクターは判断材料を提供するものである点には注意しよう。

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