SQL Server 2017が正式リリース、WindowsとLinuxのAzure仮想マシンテンプレートおよびDockerイメージの提供も開始Microsoft Azure最新機能フォローアップ(43)

2017年10月2日(米国時間)、「SQL Server 2017」のGAが発表され、正式リリースとなりました。同時に、Microsoft AzureのMarketplaceでSQL Server 2017がインストール済みの仮想マシンイメージが、Docker HubのパブリックリポジトリでSQL Server 2017を含むコンテナイメージが利用可能になりました。

» 2017年10月05日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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連載目次

MarketplaceでSQL Server 2017組み込み済みのWindows/Linuxイメージが利用可能に

 「SQL Server 2017」は、Windowsだけでなく、Linuxにも正式対応したSQL Serverの最新バージョンです。2017年10月2日(米国時間)のGA(Generally Available:一般向け提供開始)発表と同時に、Microsoft AzureのMarketplace(およびクラシックポータルのギャラリー)では、Windows Server 2016および幾つかのLinuxディストリビューションで、SQL Server 2017 GA版の以下のエディションを組み込んだ仮想マシンイメージが利用可能になりました(画面1)。

  • Developer(開発用途向けのみ)
  • Express(無料のデータベース)
  • Web(Webアプリ向けの低コストデータベース)
  • Standard(中規模ワークロード向けコアデータベース機能)
  • Enterprise(フル機能)

画面1 画面1 Azure Marketplaceで利用可能になった正式版のSQL Server 2017イメージ(注:CTP 2.0版は開発中の古いイメージ)

 これらのイメージを利用して仮想マシンをデプロイすれば、SQL Server 2017の環境を素早く構築し、SQL Databaseのサービスレベルと価格ですぐに利用を開始できます。

Docker HubではWindowsコンテナとLinuxコンテナ用のイメージが利用可能に

 Windows Server 2016のWindowsコンテナ環境(Windows Serverコンテナ、またはHyper-Vコンテナ)がある場合は、Docker Hubのパブリックリポジトリから「microsoft/mssql-server-windows-developer」(ダウンロードサイズ約7GB)または「microsoft/mssql-server-windows-express」(ダウンロードサイズ約6GB)を取得することで、Windows Server 2016 Server CoreのベースOSイメージ(microsoft/windowsservercore、ビルド14393.x)で構築されたSQL Server 2017のコンテナを素早く作成、実行することができます。SQL Server 2017のGA版は、タグ名「latest」または「2017」で識別されます(画面2)。

画面2 画面2 Windowsコンテナとして動作するSQL Server 2017

 同様に、Linuxコンテナ環境がある場合は、Docker Hubのパブリックリポジトリの「microsoft/mssql-server-linux」(ダウンロードサイズ約479MB)を利用できます。これは、Ubuntu 16.04 LTS(Long Term Support)ベースのOSイメージで構築された「SQL Server 2017 for Linux」のイメージです。現状、タグ名「latest」は付けられておらず、タグ名「2017-GA」または「2017-latest」を明示的に指定する必要があるので注意してください(画面3)。

画面3 画面3 Linuxコンテナとして動作するSQL Server 2017。SQL Serverはプラットフォームを選択できる時代になった

 Dockerイメージの利用方法については、上記のMicrosoft公式ブログにあるDocker Hubのドキュメントに記述されています。

 なお、Dockerイメージとして提供されるSQL Server 2017は、Windowsコンテナ版とLinuxコンテナ版の両方とも「Developerエディション」であることに注意してください。Developerエディションは、SQL Server 2017とともにアプリケーションを開発する目的で開発者が使用できるものです(Expressエディションが含まれる「microsoft/mssql-server-windows-express」にも同様の制限があります)。運用環境用のデータベースとしての利用は許可されていません。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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