IBM Cloudを無料で――日本IBM、「IBM Cloudライト・アカウント」提供開始を発表:制限付きでIBM Cloudのサービスを無償公開
日本IBMは、「IBM Cloud」を無期限、無償で利用可能な「IBM Cloudライト・アカウント」の提供を2017年11月1日に開始する。IBM WatsonやIoTなど、IBM Cloudで提供される25種類のサービスやAPIが利用できる。
日本IBMは2017年10月27日、「IBM Cloudライト・アカウント(以下、ライト・アカウント)」の提供を同年11月1日に開始すると発表した。これは、同社のクラウド基盤「IBM Cloud」を、期間無制限かつ無料で使える「ライト・プラン」向けアカウントで、多くの開発者や学生が利用しやすいように、クレジットカードの登録は不要になっている。
IBM Cloudライト・アカウントの公式ページ(スクリーンショット)
ライト・アカウントでは、IBM WatsonやIoTなど、IBM Cloudで提供される25種類のサービスやAPIが利用できる。ただし、「Cloud Foundryメモリは256MBまで」「インスタンスは1つ」といった制限がある。開発活動のない期間が10日間続けば、そのアプリは自動停止され、活動のない期間が30日間続くと、サービスは自動削除される。
ライト・アカウントで利用可能なサービスは、コンテナ、ストレージ、ボイラープレート、API、データ&分析、DevOps、インテグレーション、IoT、モバイル、セキュリティ、Watsonといった11のカテゴリーに分かれている。
なお、ライト・プランの各サービスには利用上限が設けられており、例えばニュースや特許、会話型文書の動的な翻訳を提供するWatsonの「Language Translator」では、1カ月当たり最大100万文字に限られる。Node.jsやJavaでAPIを作成する「API Connect」は、呼び出し可能回数が1カ月当たり最大5万回である。いずれのサービスも、必要ならばライト・プランから有料プランに移行可能だ。
- Conversation:会話の組み立て、やりとりの自動化
- Discovery:適切な意思決定を行うためのパターン、傾向、実行可能な洞察を識別
- Language Translator:多言語翻訳
- Natural Language Understanding:概念、エンティティー、キーワード、感情、関係、意味役割などのメタデータを抽出
- Personality Insights:書かれた文章をもとに性格分析
- Tone Analyzer:書かれた文章を基に感情を分析(日本語未対応)
- Apache Spark:ビッグデータ基盤分析
- Cloudant NoSQL DB:NoSQLデータベース
- Data Science Experience:データサイエンティストとエンジニアのためのチーム分析環境
- Streaming Analytics:リアルタイムデータソースからのデータの取り込み、分析、モニター、相関分析を行うデータ分析基盤
- Activity Tracker:クラウド上のアクティビティーのトラッキングツール
- Availability Monitoring:アプリの状態監視ツール
- Continuous Delivery:DevOpsツールチェーンの構築や運用を支援するツール
- Log Analysis:ログ管理と分析
- Internet of Things Platform:IoT基盤アプリ
- Kubernetes Cluster:コンテナ管理ツール
- Container Registry:コンテナのリポジトリ
- Object Storage:非構造化データ向けのクラウドストレージ
- API Connect:API作成、公開、管理
- App Connect:アプリケーション連携
- Push Notifications:モバイル向けプッシュ通知
- Internet of Things Platform Starter:「Node-RED」を使用してIoT Platformアプリを作成
- Node.js Cloudant DB Web Starter:Cloudant NoSQL DBと「SDK for Node.js」によるスタンドアロン型JavaScriptランタイムが利用可能
- Python Flask:Pythonの軽量フレームワーク
- Ruby Sinatra:Sinatraフレームワークを使用してRubyのWebアプリを開発
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