IBMは、「IBM Cloud Private」ソフトウェアプラットフォームの新版を発表した。企業の基幹データおよびアプリケーションへの多額の投資を有効活用できるようにするとともに、クラウドネイティブなツールをパブリックおよびプライベートクラウド全体に展開することができるよう支援するものだ。
IBMは2017年11月1日(米国時間)、パブリッククラウドと従来のIT環境を橋渡しする「IBM Cloud Private」ソフトウェアプラットフォームの新版を発表した。このソフトウェアは、企業の基幹データおよびアプリケーションへの多額の投資を有効活用できるようにするとともに、クラウドネイティブなツールをパブリックおよびプライベートクラウド全体に展開できるように支援する。
IBM Cloud Privateは、企業がパブリッククラウドに似たオンプレミスのクラウド機能を開発し、アプリケーション開発を迅速化できるように設計されている。新版のプラットフォームは、オープンソースの「Kubernetes」ベースのコンテナアーキテクチャに基づいて構築されており、「Docker」コンテナと「Cloud Foundry」をサポートする。これにより、ワークロードをIBM Cloudを含む任意のクラウド環境に展開できるようになるため、ワークロードの統合やポータビリティが促進されるという。
IBM Cloud Privateには、クラウド管理の簡素化、アプリケーション開発の迅速化、クラウド環境全体にわたるセキュリティの維持を実現する仕組みが組み込まれている。主な特徴は以下の通りだ。
クラウド環境全体にわたる効率的な管理を実現し、サービスの起動、モニタリング、一貫したセキュリティプロトコルの確保を支援する。
「Security Vulnerability Advisor」がクラウド内のコンテナをスキャンし、潜在的な問題や脆弱(ぜいじゃく)の発見を支援する。移動中のデータの暗号化や、クラスタ内のユーザーによるアクセスを厳密に制御する機能も利用できる。
コンテナエンジン、Kubernetesオーケストレーション、Cloud Foundry、基本的な開発者向けランタイム管理ツールが用意されている。これらは完全に統合され、自動化されている。
Cisco Systems、Dell EMC、Intel、Lenovo、NetAppといった大手メーカー製システムや、IBMシステムと互換性がある。IBMシステムには、IBM Power Systems、IBM Z、Nutanix製ソフトウェアベースのIBMハイパーコンバージドプラットフォームなどがある。
「IBM Db2」「PostgreSQL」「MongoDB」などのデータベースサービスとIBM Cloud Privateの連携により、データを利用してビジネス洞察を得ることができる。
ソフトウェアバンドルの一部として、ソフトウェアや開発フレームワーク(「IBM WebSphere」「Liberty」「Open Liberty」「IBM MQ」「Microservice Builder」など)のコンテナ化バージョンが提供される。管理を最適化するツールやDevOpsツール(「APM」「Tivoli Netcool」「UrbanCode」など)を有料で追加することもできる。
IBMは、IBM Cloud Privateの使い方の例として、以下を挙げている
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