IBMとレッドハット、「OpenStack」によるハイブリッドクラウドの利用促進で戦略提携既存投資の活用とクラウドの効率性、拡張性の享受を支援

IBMとレッドハットが、企業の「OpenStack」導入と利用に向けたソリューションで提携。IBMはレッドハット認定クラウドウドプロバイダーとなり、OpenStackの導入とともに、Red Hatソフトウェアへの投資をクラウドで有効活用できるように支援する。

» 2017年03月22日 11時00分 公開
[@IT]

 米IBMと米レッドハットは2017年3月20日(米国時間)、オープンソースのIaaS(Infrastructure as a Service)構築ソフトウェア「OpenStack」の企業導入と利用を促進するソリューションで戦略的な提携を結んだと発表した。企業が既存のRed Hatベースの仮想化ワークロードやクラウドワークロードを「IBM Private Cloud」へ容易に拡張できるよう共同で支援する。

photo Red Hat OpenStack Platform」のWebサイト

 提携の一環として、IBMはレッドハットの認定クラウド&サービスプロバイダーとなった。2017年3月末から、IBM Private Cloudで「Red Hat OpenStack Platform」や「Red Hat Ceph Storage」を利用できるようにする。顧客は、これらを「認定プロバイダーが提供するソリューション」として安心して利用できるようになると、IBMは述べている。

 同じく提携の一環として、2017年第2四半期末(2017年9月末)までに、「IBM Cloud」上で「Red Hat Cloud Access」を利用できるようにする。レッドハットの顧客は例えば、使われていない「Red Hat Enterprise Linux」のサブスクリプションを、全世界のIBM Cloudデーセンターの仮想化されたパブリッククラウド環境へ移行できる。この対応によって、これまで行ってきたRed Hatソフトウェアへの投資を有効活用でき、併せて、IBM Cloudのグローバル規模の効率性を享受できるようになるという。

 IBMとレッドハットは、プライベートクラウドの利用によるワークロードの移行、DR(Disaster Recovery:災害復旧)、キャパシティーの拡張、データセンター集約といった新しいソリューションのマーケティングと販売などについても共同で展開していく。両社は今回の提携によって、顧客に以下のようなメリットももたらすと述べている。

  • IBMとレッドハットはハイブリッドクラウドインフラを提供し、顧客がOpenStack API(Application Programming Interface)を使ってクラウドアプリケーションを効率的に運用できるよう支援する
  • 顧客はクラウドインフラを迅速にプロビジョニングできる。具体的には、Red Hat Cloud Accessにより、既存のワークロードやRed HatサブスクリプションをIBM Cloudへ移行したり、ソフトウェアやインフラを従量課金で利用したりできるようになる
  • 企業はクラウド機能によってリーチを広げ、より高いスケーラビリティを確保する。例えば、「ローカルで始めて、グローバルにスケーリングするアプローチを採る」ことや、「データの保存場所などに関する規制を順守する」ことなどが容易になる

 「私たちとIBMの協業は、企業が迅速かつ容易にハイブリッドクラウドを導入できるよう支援することを目指している。OpenStackインフラを管理する社内ノウハウがない顧客であっても、IBM Private Cloudを使えば、安心してRed Hat OpenStack PlatformやRed Hat Ceph Storageを利用できる」(レッドハットのOpenStack担当ゼネラルマネジャー、レッドヘシュ・バラークリシュナン氏)

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