本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で発生するトラブルについて、「なぜ起こったか」の理由とともに具体的な対処方法を紹介していきます。今回は、「SQL Server 2016でSP1をアンインストールしたら起動しなくなった」場合の解決方法を解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で発生するトラブルについて、「なぜ起こったか」の理由とともに具体的な対処方法を紹介していきます。
「SQL Server 2016」上に「SQL Server 2016 Service Pack 1(SP1)」をインストールした環境を想定して解説します。
トラブルの実例:SQL Server 2016 Standard Editionを使用して運用を続けてきたものの、データ量の増加に伴い、ディスクI/Oがボトルネックになってきた。データ圧縮などの機能が追加されたSQL Server 2016 SP1を適用するため、検証環境で動作確認を実施した。ある程度の確認が終わったため、SP1をアンインストールしたところ、操作していたデータベースが未確認状態となり起動しなくなった。
WindowsイベントビューアーでWindowsログの「Application」の項目を確認すると、「エラー933」が記録されていた(図1)。
記録されていた「エラー933」には、「SQL Server の現在のエディションではデータベース機能の一部が使用できないため、データベース'DB01'を開くことができません」とあります。
「エラー933」の直前には「エラー909」も記録されていました(図2)。「データベース'DB01'は、オブジェクト'TABLE01'の一部または全体でデータ圧縮またはvardecimalストレージ形式が有効になっているため、このエディションのSQL Serverでは開けません。データ圧縮およびvardecimalストレージ形式がサポートされているのは、SQL Server Enterprise Editionだけです」とあります(図2)。
SP1を適用することでStandard Editionでもデータ圧縮機能が有効になりました。ところが、SP1をアンインストールしてしまったため、データ圧縮に対応していないRTM版のStandard Editionに戻ってしまったようです。これではデータ圧縮が有効になっているデータベースを開くことはできないでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.