Linuxの定番テキストエディタ「vi」をマスターしよう(1)基本操作編“応用力”をつけるためのLinux再入門(18)(2/2 ページ)

» 2017年12月06日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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カーソル移動の基本をマスターしよう

 カーソル移動の基本は「h」「j」「k」「l」、つまり右手のホームポジション付近に並んだ4つのキーです。vimの場合は、矢印キーでも移動できます。

●上下左右のカーソル移動
「h」または[←] 左へ移動する
「j」または[↓] 下へ移動する
「k」または[↑] 上へ移動する
「l」または[→] 右へ移動する

 コマンドの前に数字を入れ、例えば「3j」のようにすると「jコマンドを3回」、つまり「3行下へ移動」という動作になります。行頭/行末には以下のキーで移動します。

●行頭/行末への移動
「0(ゼロ)」または[Home] 行頭へ移動する
「$」または[End] 行末へ移動する

 インデントされたプログラムコードのように先頭に空白がある場合、「行の頭」というと、「その行の最初の非空白文字」へ移動したくなるかもしれません。この場合は以下のキーを使います。これらも、「3-」で3行上、「5+」で5行下、「2L」で画面上の下から二行目の先頭へ移動、といったように行数を指定することが可能です。

●上下行の先頭への移動
「^」 行の先頭(その行の最初の非空白文字)へ移動する
「-」 上の行の先頭(その行の最初の非空白文字)へ移動する
「+」または[Enter] 下の行の先頭(その行の最初の非空白文字)へ移動する
「H」 画面一番上の行の先頭(その行の最初の非空白文字)へ移動する
「L」 画面一番下の行の先頭(その行の最初の非空白文字)へ移動する

 ファイルの先頭行と最終行へは「G」で移動します。「G」は行移動のコマンドで、「G」のみの場合は末尾に移動しますが、「5G」で5行目、「30G」で30行目のように、移動したい行番号を指定することもできます。

●ファイルの先頭と最終行への移動
「gg」または「1G」 1行目の先頭(最初の非空白文字)へ移動する
「G」 ファイルの最終行の先頭(最初の非空白文字)へ移動する

 以下の画面4に主なカーソルの移動操作をまとめておきます。これを見て、カーソル操作をマスターしてください。

画面4 画面4 主なカーソル移動操作

●単語単位の移動

 単語単位での移動は「e」と「w」、「b」と「ge」で行います。この場合の「単語」とはアルファベットと数字、アンダースコアで構成された文字列です。それ以外の文字、つまりスラッシュ(/)やピリオド(.)などは単語の区切り扱いとなります()。大文字の「E」「W」「B」を使用すると、空白文字だけが区切り扱いとなります。

【※】単語の区切り文字は、「iskeyword」オプションで変更できます(詳細は次回解説)。viの既定値は「@,48-57,_」、vimの初期値は「@,48-57,_,192-255」で192以降で定義されているアクサン記号付きの文字なども単語構成文字に含まれています。



●単語単位での移動
「e」または「E」 単語の末尾へ移動する
「w」または「W」 次の単語の頭へ移動する
「b」または「B」 前の単語の頭へ移動する
「ge」または「gE」 前の単語の末尾へ移動する

 例えば、「sample1.txt sample2.txt」という文字列で、1つ目の「s」にカーソルがある場合、「w」コマンド(次の単語の先頭)は「sample1.txt」の「.」へ移動、「W」コマンドの場合は「sample2.txt」の「s」へ移動します。

画面スクロールの基本をマスターしよう

 [Ctrl]+[B]キーで1画面分上へスクロール(PageUp)、[Ctrl]+[F]キーで1画面分下へスクロール(PageDown)します。

●スクロール
[Ctrl]+[B] 1画面上へスクロール(Before)する
[Ctrl]+[F] 1画面下へスクロール(Forward)する
[Ctrl]+[D] 半画面上へスクロールする(下の方にあるテキストが表示される)
[Ctrl]+[U] 半画面下へスクロールする(上の方にあるテキストが表示される)
[Ctrl]+[E] 1行上へスクロールする
[Ctrl]+[Y] 1行下へスクロールする

 また、「zz」で現在カーソルがある行が画面の真ん中に、「zt」で最上段(top)に、「zb」で最下段(bottom)になるようにスクロールすることができます。

●カーソル基準のスクロール
「zz」 カーソル行が画面中央になるようにスクロールする
「zt」 カーソル行が画面最上段になるようにスクロールする
「zb」 カーソル行が画面最下段になるようにスクロールする

筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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