Cisco、HCI「Cisco HyperFlex」をアップデート:Hyper-Vやストレッチクラスタ、新しいマルチクラウドサービスをサポート
Ciscoのハイパーコンバージドインフラ「Cisco HyperFlex」プラットフォームのソフトウェアがVersion 3.0にアップデートされた。
Cisco Systemsは2018年1月25日(米国時間)、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)「Cisco HyperFlex」プラットフォームのソフトウェアをVersion 3.0にアップデートしたと発表した。Version 3.0では、「あらゆるアプリケーション、あらゆるクラウド、あらゆるスケール」で高パフォーマンスとシンプルさを実現するとしている。
「あらゆるアプリケーション、あらゆるクラウド、あらゆるスケール」で高パフォーマンスとシンプルさを実現するという
今回のアップデートの主な強化点は、「Hyper-V」「ストレッチクラスタ」「コンテナ」、新しい「マルチクラウドサービス(アプリケーションのデプロイ、モニタリング、管理を任意のクラウドで行える)」のサポートだ。これらにより従来型とクラウドネイティブの両方のアプリケーションを、共通のハイパーコンバージドプラットフォームで開発、デプロイできるようになったとCiscoは述べている。
Ciscoのコンピューティングシステムズプロダクトグループ担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるリズ・セントーニ氏は、アップデートされたHyperFlexプラットフォームの特徴を次のように説明する。
「『オペレーションのシンプルさ、容易なスケーラビリティ、アプリケーション固有のニーズへの対応力が必要』という声が昨今、顧客から寄せられている。新しいHyperFlexプラットフォームは、われわれが一貫してデータセンターオペレーションのシンプル化と改善に加え、企業によるマルチクラウド活用の支援に力を注いでいることをよく示している」
Cisco HyperFlex HX シリーズ
Version 3.0では、ミッションクリティカルなクラウドネイティブワークロードに対応した大幅な改良が行われている。
- マルチハイパーバイザーサポート:ハイパーバイザーとして従来の「VMware ESXi」に加え、Microsoftの「Hyper-V」をサポートする
- コンテナサポート:データプラットフォームの改良点の1つが、Kubernetesで管理されるコンテナで永続ストレージを使用可能にする「FlexVolume」ドライバだ。これにより、HyperFlexでクラウドネイティブアプリケーションの開発とデプロイが可能になる
- エンタープライズアプリケーション対応:HyperFlexは幅広いワークロードに対応するため、アプリケーション移行プロジェクトをサポートするワークロードプロファイリングおよびサイジングツールが用意されている。VSI(仮想サーバインフラ)用とVDI(仮想デスクトップインフラ)用の設計およびデプロイガイドに加えて、ミッションクリティカルなデータベース、アナリティクス、ERPアプリケーションの設計ガイドが新たに利用できる。これらのアプリケーションには、Oracle、Microsoft SQL Server、SAP、Microsoft Exchange、Splunkなどが含まれる
今日の企業は、パブリッククラウドとプライベートクラウドにまたがるアプリケーションモビリティとアプリケーションモニタリングを必要としている。HyperFlexはマルチクラウド時代に対応したプラットフォームで、Ciscoの以下のマルチクラウドソフトウェアポートフォリオと統合してサービスを提供する。
- アプリケーションパフォーマンスモニタリング:「AppDynamics with HyperFlex」は、HyperFlexと複数のクラウドで動作するハイブリッドアプリケーションのパフォーマンスモニタリングを実現する
- アプリケーション配置:「Cisco Workload Optimization Manager(CWOM)for HyperFlex」は、分析とワークロード配置の自動化を支援する
- クラウド管理:2017年に発表された「CloudCenter for HyperFlex」は、多くのプライベートおよびパブリッククラウドにまたがるワークロードライフサイクル管理を実現する
- プライベートクラウド:CloudCenter for HyperFlexは、VM(仮想マシン)、コンテナ、アプリケーションのデプロイと管理をシンプル化し、開発者と管理者がプライベートクラウドを簡単に利用できるようにする
Ciscoは顧客が、急速に増大するワークロードについて包括的な回復性を確保するとともに、グローバル規模でクラウドベースのシステム管理を行うことを可能にしている。
- オンプレミスでのスケーラビリティと回復性の向上:HyperFlexクラスタは仮想マシンの高密度化で顧客をサポート。64ノードまで拡張可能になった他、完全に自動化されたアベイラビリティゾーンによって回復性も向上している
- 複数データセンターにまたがるストレッチクラスタ:データ保護と高可用性の要件に対応できるように、HyperFlexは、「キャンパスネットワーク」や「メトロネットワーク」を利用してストレッチクラスタを構成し、ミッションクリティカルな可用性を実現できるようになった
- データセンター間でのクラウドベース管理:「Cisco Intersight」が新たに「HyperFlex Cloud Deployment」をサポートし、シンプル化されたデプロイと管理をリモートからも行えるようになった
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