Red HatがCoreOSを2億5000万ドルで買収Kubernetesエコシステムに焦点

Red Hatは2018年1月30日(米国時間)、コンテナエンジン「rkt」やコンテナ用の軽量Linux「Container Linux」で知られるCoreOSの買収で、確定的な合意に達したと発表した。買収額は2億5000万ドル。

» 2018年01月31日 15時04分 公開
[三木泉@IT]

 Red Hatは2018年1月30日(米国時間)、コンテナエンジン「rkt」やコンテナ用の軽量Linux「Container Linux」で知られるCoreOSの買収で、確定的な合意に達したと発表した。買収額は2億5000万ドル。

 Red HatとCoreOSは、製品でオーバーラップする部分がある。買収の理由について、Red Hatは詳細な説明をしていないものの、次のように述べている。

 「(CoreOSのKubernetesプラットフォームである)『Tectonic』と、Kubernetesプロジェクトへの投資は、(Red HatのKubernetesプラットフォームである)『Red Hat OpenShift』およびRed HatのKubernetesに対する投資と補完的だ。CoreOSはさらに、Kubernetesのアップストリームコミュニティにおける指導力と影響力を高めることができる。また、自動的な運用および管理について、Red Hat OpenShiftを新たに拡張できる」

 「Container Linuxと同社のコンテナに最適化されたLinuxおよび、自動的な『over the air(ネットワーク経由)』のソフトウェア更新の仕組みは、『Red Hat Enterprise Linux』、『Red Hat Enterprise Linux Atomic Host』、Red Hatのコンテナランタイム、プラットフォーム管理機能にとって補完的だ。Red Hat Enterprise Linuxのコンテンツ(構成要素)は、当社のアプリケーションエコシステムの基盤であり、当社にとって唯一のLinux製品群であることに変わりはない。一方、Container Linuxを発祥とするいくつかのデリバリメカニズムについては、両社共同の統合作業チームによる評価を経て、Atomicとの調和が図られる」

 「(CoreOSのコンテナレジストリ技術である)『Quay』は充実したレジストリ機能をもたらし、OpenShiftに統合されたレジストリコンポーネントおよびRed Hat Container Catalogを機能拡張できる。これは、スタンドアロンで利用することもできる」

 CoreOSが提供してきた既存製品の今後についてRed Hatは、当面サブスクリプションやサポートに変更はないとする一方、「製品間の統合および、何らかの両社による統合製品への顧客の移行については、今後決定する」としている。

 CoreOSは、Kubernetesを中核としたコンテナ関連ツールのエコシステムを推進する団体、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)で、活発に活動してきた。

 CoreOSは、CNCFがホストする15のプロジェクト(2018年1月末時点)のうち、rktを主導してきた。KubernetesやPrometheusなど、他のCNCF関連プロジェクトにもコントリビューションしてきており、CNCFのガバナンスボード(監督委員会)のメンバーにもなっている。

 CoreOSの買収は、CNCFにおけるRed Hatの影響力増大につながると考えられる。

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