パナソニックは新たな顔認証システム「FacePRO」を構成する「顔認証サーバソフトウェア」を発売する。角度がついた顔画像や、サングラスなどで一部が隠された画像でも照合可能。カメラで顔認証に最適な画像を狙って撮影し、必用な画像のみをサーバに転送する機能も開発した。
パナソニックは2018年2月20日、新たな顔認証システム「FacePRO」を構成する「顔認証サーバソフトウェア」を同年8月に発売すると発表した。ディープラーニング技術を活用し、正面だけでなく、斜めから捉えた顔の画像も識別する。標準技術研究所(NIST)の比較試験では、世界最高レベルの顔認証性能との評価を受けたという。
今回活用したディープラーニング技術は、パナソニックがシンガポール国立大学と共同開発したもの。類似度計算手法を組み合わせて誤認識の発生を抑制し、左右45度、上下30度までの角度がついた画像の識別や経年変化(太った、痩せた、老化など)後の顔、サングラスなどで一部が隠された顔の照合を可能にした。
同製品と同時に、パナソニックは、顔認証向けに最適な画像を狙って撮影し、認証に必要な画像のみをサーバに転送するカメラ機能「iA(インテリジェントオート)」も開発した。同社のネットワークカメラ「i-PRO EXTREMEシリーズ」にライセンスキーをインストールすれば利用可能になり、カメラが自動的に被写体の移動速度や顔部分、光量などの撮影条件を検知し、リアルタイムで設定を最適化する。
一般的な顔認証システムでは、カメラで撮影した全画像をサーバに転送するため、サーバやネットワークに負荷がかかっていた。iA機能では、顔認証に最適な画像のみを選別してサーバに送ることで、ネットワークの負荷や顔画像の保存に必要なHDD容量を低減している。
顔認証サーバソフトウェアは1万件の顔を登録でき、オプション機能を使えば最大3万件まで拡張可能。カメラは4台まで接続可能で、オプションを利用すれば最大20台まで接続できる。
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