村田製作所とPhone Appliは、“場”の雰囲気や盛り上がり、親密度といったデジタル化が難しい情報を空間情報として可視化するIoTソリューション「仮想センサプラットフォーム NAONA」の実証実験を開始。Phone Appliの社内会議をNAONAで分析し、会議やコミュニケーションの“質”を可視化する。
村田製作所はPhone Appliと共同で、「仮想センサプラットフォーム NAONA」を活用し、会議の“質”を可視化する実証実験を、2018年2月19日から開始した。
村田製作所のNAONAは、“場”の雰囲気や盛り上がり、人間同士の親密度といった、これまでデジタル化できなかった情報を計測・判別し、可視化してデータとして提供するプラットフォームサービス。各種のセンサーデバイスや集音マイクなどから取得したデータを組み合わせて、空間情報として分析、可視化する。「人やモノ」だけでなく、「空間とその中に存在する人やモノ」の関係性を把握できることが特徴で、そこで得られる関係性に関するデータを活用したサービスの創出を目指している。
例えば、飲食店や小売店では店内の雰囲気や活況度を把握することによって、接客サービスの質を向上でき、オフィスでは会議室や執務室の生産性や快適性を把握することで、健全な経営環境の実現に役立てるといった活用が期待されるという。
今回の実証実験は、NAONAの「人と人」の関係性を可視化する機能に着目したもの。Phone Appliが社内で毎週実施している1on1ミーティングにNAONAを導入し、音声データから抽出する音声特徴量(会話の方向、ボリューム、テンポ、トーンなど)を基に、会議での会話の割合、傾聴具合、感情の変化などを分析することで、会話やコミュニケーションの質を可視化する。
実証実験を通して、NAONAの有用性を検証するとともに、可視化結果のフィードバックにより、社員の成長や社内コミュニケーションの活性化も期待できるとしている。
なお、村田製作所は、2018年2月20日から21日に、神戸市の親和保育園との実証実験を実施。監視カメラやウェアラブルデバイスを用いずに、より自然な形で、子どもたちの室内での状況を、遠隔からでも把握できる仕組みを検証した。今後、保育園全体で子どもたちを見守り、必要なときに、必要としている場所に手を差し伸べられるようにする取り組みとして連携して進めていくという。
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