Microsoft、「Azure」への移行計画を支援する「Azure Migrate」サービスを正式リリース:オンプレミスVMを検出し、適性、サイズ、コストを検討して移行を計画
オンプレミス環境から「Microsoft Azure」への移行計画を支援するガイダンスや分析を提供する「Azure Migrate」サービスの一般提供が開始された。
Microsoftは2018年2月28日(米国時間)、オンプレミス環境から「Microsoft Azure」(以下、Azure)への移行計画を支援するガイダンスや分析を提供する新サービス「Azure Migrate」の一般提供開始を発表した。
Azure Migrateは、Azureユーザーに追加料金なしで提供されている「コレクターアプライアンス」と呼ばれるオンプレミスのVM(仮想マシン)を作成し、エージェントレスでオンプレミス環境を検出する仕組みだ。今のところ、VMware環境のWindowsとLinux VMの検出が可能で、Hyper-V環境も今後、検出可能になる予定だ。
また、Azure Migrateはオプションで、分析するオンプレミスの各マシンにエージェントをインストールすることで、マシン間の依存関係の視覚化し、多層アプリケーションを特定できる。
Azure Migrateでは、移行計画の作成に向けて次のことが行える。
- Azure対応性の評価:多層アプリケーションをホストするマシンを含むオンプレミスマシンがAzureでの実行に適しているかどうかを評価できる
- 推奨サイズの把握:オンプレミスVMのパフォーマンス履歴、マシン構成、使用状況から、Azure VMの推奨サイズを把握できる
- 毎月のコスト見積もり:オンプレミスマシンをAzureで実行するための経常的コストを見積もれる。「Azureハイブリッド特典」のようなディスカウントを考慮に入れることもできる
Azure MigrateでのオンプレミスVMの評価(出典:Microsoft)
プレビュー段階から一般提供の開始に至るまでに、Azure Migrateには以下の新機能が追加された。
- 構成に基づくサイジング:既にサポートされていたCPU、メモリ、ディスクなどの使用状況に基づくサイジングに加えて、CPUコア数、メモリ量などの構成設定に基づいて、Azureでもオンプレミスと同じVMサイズにすることが可能になった
- 評価の信頼度:使用状況を示すデータポイントの多さに基づいて、星マークを使って評価の信頼度を示せるようになった
- 無料で依存関係の視覚化が可能:多層アプリケーションのネットワーク依存関係を、サービスマップの請求を受けることなく視覚化できる
- ターゲットリージョンの追加:中国、ドイツ、インドのAzureリージョンを移行ターゲットにオンプレミスマシンを評価できる。移行計画は、サポートされている30のターゲットリージョンのいずれかに対して作成できる。しかし、移行プロジェクトを作成できるのは、米国中西部または米国東部リージョンに限られる
WindowsおよびLinuxシステムのアプリケーションコンポーネントを自動的に検出して、サービス間の通信を表示する「サービスマップ」(出典:Microsoft)
Azure Migrateは移行計画を支援するが、移行自体は、「Azure Site Recovery」や「Azure Database Migration Service」のようなサービスを使って実行することになる。Microsoftは将来、こうしたサービスの機能をAzure Migrateに統合し、Azureへの移行を包括的に支援する計画だ。
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