Tableau Japanは2018年2月28日、東京都内でイベント「Tableau Data Day Out」を開催した。基調講演では、Tableauを全社的に採用しているNTTドコモが導入経緯を話し、米Tableauの幹部は製品の進化について説明した。
Tableau Japanは2018年2月28日、東京都内でイベント「Tableau Data Day Out」を開催した。基調講演では、Tableauを全社的に採用しているNTTドコモが導入経緯を話し、米Tableauの幹部は製品の進化について説明した。
NTTドコモの情報システム部部長、長谷川卓氏は、基調講演で「顧客1人1人を理解することが基本目的」と話した。
NTTドコモが全国に展開しているドコモショップは、ほとんどが代理店。このため、個々のユーザーを理解するにはデータを活用するしかない。NTTドコモはデータドリブン経営を目指して、過去20年にわたりデータ基盤の整備を進めてきた。
基幹システムを含めたデータ自体の整備は進んだが、次にそれを活用する環境の整備が課題となった。
レポート作成者が介在するような従来型のBIでは、「ユーザーはデータを使いたいと思わない」(長谷川氏)。
ユーザー自身で完結したデータ活用ができるためには、ユーザーが使いたくなるようなツールを、使いたくなるようなレスポンスで提供しなければならない。そこで同社は、TableauとSAP HANAの組み合わせを選んだという。
Tableauは、2018年1月にリリースしたTableau 10.5で、Tableau Serverに新データエンジン「Hyper」を統合した。このインメモリデータエンジンは、従来のTableau Data Engine(TDE)を置き換えるものとなる。TDEと比較して、クエリでは最大5倍、抽出では最大3倍の性能を発揮するという。
今回のイベントの基調講演でも、6億6000行以上という大量のデータを文字通り瞬時にソート・抽出し、グラフを見せるデモが行われた。
Hyperを搭載した目的について、Tableauの製品開発担当バイスプレジデント、ティエリー・ダース(Thierry D’hers)氏は、「今後の第3世代BIツールは、データ活用を週や日単位でなく、秒単位で分析できることが求められるから」と説明した。
今後Tableauは自然言語認識などを生かして「スマート・アナリティクス」を実現していくという。
イベントで示していた例に、日時記述フォーマットの自動的な認識と統一がある。ログのタイムスタンプをはじめ、幅広い日時記述形式に対応し、半自動で一括変換を行う。そしてこれに基づき、異なるテーブル間で日時情報項目の自動関連付けができる。
他にも、同一組織内における他ユーザーの活動を生かし、組織としてのポリシーを反映させた上で、参照すべきダッシュボードや利用すべきデータソースについてのレコメンデーションを行うなどの機能を充実させていくという。
Tableauはユーザー1人1人を助けるツールから、ユーザーグループを助けるツールにシフトしてきた。日本法人の浜田俊社長の表現によると、今後は「エンタープライズプラットフォーム」を目指すのだという。
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