Linuxを採用、Microsoftが発表した「Azure Sphere」とはチップ、OS、クラウドで構成

Microsoftは2018年4月16日(米国時間)、セキュリティ確保を目的とした新IoTソリューション、「Azure Sphere」を発表した。チップ、LinuxベースのセキュアOS、Microsoft Azureによるサービスの三位一体で構成される。Linuxを採用している点が注目される。

» 2018年04月17日 08時55分 公開
[三木泉@IT]

 Microsoftは2018年4月16日(米国時間)、セキュリティ確保を目的とした新IoTソリューション、「Azure Sphere」を発表した。これはチップ、LinuxベースのセキュアOS、Microsoft Azureによるサービスの三位一体で構成される大掛かりなもの。Linuxを採用している点が注目される。同社は既に、家電や社会インフラ機器など、多様な機器ベンダーに採用を働きかけているという。

 まずチップに関しては、Microsoftが設計したセキュリティサブシステムのPlutonを組み込んだMCUを、チップベンダーパートナーが提供する。同社はまた、これらのMCUが「Cortex-Aプロセッサの汎用性と処理能力に、Cortex-Mクラスのプロセッサの低オーバーヘッドおよびリアルタイム性保証を兼ね備えたもの」と説明している。

アプリケーションプロセッサとリアルタイムプロセッサの双方の利点を合わせたものを提供

 最初の製品としては、既にPlutonで協業を発表していたMediatekが、Arm Cortex-A7および2つのArm Cortex-M4Fを搭載するMT3620を2018年中に量産出荷するという。MT3620は、802.11a/b/g/n対応のWi-Fiサブシステムも統合している。

 セキュアOSに関しては、カスタムLinuxカーネルをベースに開発。Azureによるセキュリティサービスへの接続を組み込み、アプリケーションはコンテナ化による隔離の上で実行させるという。

MicrosoftはIoTでLinuxの利用を推進していくことになる

 Microsoft Azureによるサービスでは、Plutonの暗号化/復号エンジンや証明書管理機能を活用。IoT機器における全ての通信について認証を行う。また、機器上のハードウェア/ソフトウェアの障害報告を受け取り、管理する。OSについては真正性を確保した上で、Azureから自動オンライン更新を実施する。

他のパブリッククラウドやオンプレミスインフラを使ったIoTソリューションを、Azureによるセキュリティサービスで補完できるという

 なお、Azure Sphereを採用するからといって、IoTソリューションを全てAzure上に構築する必要はなく、セキュリティサービスだけを利用することが可能と、Microsoftは説明している。

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