Microsoft、「Visual Studio 2017 15.8 Preview 1」でArm64対応ツールの初期プレビュー版を提供常時接続PC向けArm64アプリを作成できる

2018年5月初めにリリースされた「Visual Studio 2017 version 15.8 Preview 1」には、64bit Armアプリを作成できるSDKとツールの初期プレビュー版が含まれている。

» 2018年05月15日 11時00分 公開
[@IT]

 Microsoftは2018年5月8日(米国時間)、前日にリリースした「Visual Studio 2017 version 15.8 Preview 1」には、64bit Arm(Arm64)アプリケーションを作成できるSDKとツールの初期プレビュー版が含まれていることを明らかにした。

 Microsoftは、「これは多くの開発者の要望に応えたものであり、このSDKとツールによって可能になる開発は、ArmベースでWindows 10搭載の常時接続PCにおける進化の次のステップだ」と述べている。

 Microsoftのパートナーメーカーは2018年に、Qualcommの「Snapdragon 835」プロセッサを搭載する初の常時接続PCをリリースした。これらの常時接続PCは、薄型、軽量、高速で、4G LTE接続を常時オンにして、かつてない長時間(数時間ではなく、数日、数週間)のバッテリー駆動が可能だ。これらのPCではx86エミュレーションレイヤーにより、幅広いレガシーWindowsアプリを利用することもできる。

 Armベースのこの新プラットフォームをターゲットにしたいと考える開発者は、Visual Studio 2017 15.8 Preview 1で提供されるSDKとツールの初期プレビュー版を使って、Armプロセッサでネイティブに動作するアプリを作成できる。

Visual Studio 2017 version 15.8 Preview 1のインストーラ画面

 エミュレーションを実現するアルゴリズムは、最適なパフォーマンスを発揮するよう設計されているが、ネイティブに動作するアプリケーションでは、ユーザーはこうした新カテゴリーのデバイスのパフォーマンスや機能を享受できる。

 Visual Studio 2017 15.8 Preview 1に含まれるSDKやツールは初期プレビュー版であるため、これらを使って作成されたArm64アプリは、正式なサポート対象とはならない。開発者はArm64パッケージをMicrosoftストアに提出できないが、Arm64 Win32アプリのプレビュー版を自身のWebサイトで提供することは可能だ。

 正式なサポートが受けられるのはまだ先だが、開発者は当面、こうした初期プレビュー版のSDKやツールを使うことで、いち早くArm64アプリ開発に乗り出せる他、これらのSDKやツールについて、完成前に意見をフィードバックすることもできる。

 Microsoftは、これらの初期プレビュー版を発表したブログ記事で、Arm64アプリの開発環境をセットアップする方法を解説している。この解説は、C++ベースのArm64 UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリを開発する場合、.NET Nativeを使用するArm64 UWPアプリを開発する場合、あるいはC++ Win32アプリをArm64アプリとして再構築する場合に分けて記されている。

 Arm64アプリのフルサポートは2018年中に提供される見通しだ。

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