Anycaチームは今、ビジネス担当とエンジニアを含めて約15人に成長した。エンジニアからビジネス担当へと役割が変わって、馬場さんは「自分で手を動かしたい」と思うことはないのだろうか。
「いや、その誘惑を感じさせないチームなので」と馬場さんは答える。「自分の頭の中で考えた機能についても、実際に作ってもらうと思っていたのよりも良いのができたな、と感嘆することもしょっちゅうです」と続ける。
「畑中が良いものを思いついたら、私に確認をしなくても作れる、なるべく好きにやってもらうようにしているんです」と馬場さんは説明する。「私がエンジニアだったときもそうしてきましたから」。
畑中さんも「こういうやり方で投げてもらえると、とても作りやすいです」と話す。
「共有すべきところは共有し、いざ作るとなったら集中する。大勢でワイワイ言いながら作るよりも、エンジニアが作り込む方が良いものができるし、会社もそのような作り方を良しとしているのです」(畑中さん)
DeNAは、会社の文化として、エンジニアが集中して自分が良いと信じるものを作ることを推奨しているのだ。
チーム内ではビジネス担当とエンジニアの距離は近い。基本的には「スプリント」と呼ぶ工程の単位期間を設定し、チーム全体で情報を共有するスタイルで開発を進めている。このような進め方と、エンジニアが集中して作り込むスタイルを共存させているのが同社の特徴だ。
サービス開始から2年半あまりを経て、Anycaは実績を積み上げてきた。「C2Cは新しい文化。急激に利用者を増やすよりも、安心安全に利用いただける文化を作りながら、着実に増やしたい」と馬場さんは話す。自動車を取り巻く環境が大きく変わろうとしている今、Anycaは着実に足固めを進めているところだ。
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