EMCジャパンのRSA事業本部は、インターネットを利用するサイバー犯罪者がソーシャルメディアを利用している実態についての調査結果を公開した。サイバー犯罪者は、ソーシャルメディアの特性を狙っていると警鐘を鳴らす。
EMCジャパンのRSA事業本部は2018年5月22日、世界的に利用されているソーシャルメディアを利用した犯罪活動に関する調査結果を公開した。調査結果では、狙われやすいソーシャルメディアや、ソーシャルメディアが狙われる要因を明らかにした。
RSAは、今やソーシャルメディアは私生活と仕事の両面で不可欠なツールになり事業の成功要因になるが、エンドユーザーと直接対応する企業にとってはデジタルリスクも増大すると警鐘を鳴らす。特に「カーダー」と呼ばれるクレジットカード詐欺師は、盗品を売りさばくため匿名性を持つソーシャルメディアを格好の場にしていると指摘している。
RSAの調査によると、世界中のサイバー犯罪の舞台が、FacebookやQQ(中国テンセントのメッセンジャーソフト)、Baiduなどから、WhatsAppやTelegraph、Instagramといったソーシャルメディアに移っているという。犯罪の舞台が移った要因としては、これらのソーシャルメディアが世界的に普及したことに加え、大型の犯罪マーケットプレースが閉鎖されたことを挙げた。
RSAは、こうしたソーシャルメディアにサイバー犯罪者が魅力を感じている理由は、そこで繰り広げられる大量のコミュニケーションだと指摘している。グループ管理機能や招待制が採用されている閉鎖的なプラットフォーム上で、地理的な隔たりを越えて共有される大量な情報は、サイバー犯罪にとってメリットだという。
RSAによると、サイバー犯罪者は、できるだけ複数のソーシャルメディアに存在しようと試みているという。同一の内容を複数のソーシャルメディアで公開することで、サイバー犯罪者自身の評判を高めたり、認知度の向上を図ったりすることで、顧客の増大を目指すことができるからだ。
RSAは、世界的に利用者の多いソーシャルメディアについて、サイバー犯罪者がそれらをどのように利用しているかを調査し、ホワイトペーパー「The Social Media Fraud Revolution(ソーシャルメディア犯罪の変革)」にまとめている。
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