IBMは自然災害の防止や自然災害への対応、自然災害からの回復に関する問題を解決しようという「Call for Code Global Initiative」を発表した。開発者の参加を呼び掛けている。
IBMは2018年5月24日(現地時間)、フランスのパリで開催された「VIVA TECHNOLOGY」カンファレンスで、「Call for Code Global Initiative」(以下、Call for Code)を発表した。これは、企業や学術機関の開発者が一堂に会し、自然災害の防止や対応、自然災害からの回復に関する問題を解決しようという取り組みだ。
IBMでChief Digital Officerを務めるボブ・ロード氏によると、この取り組みの目的は「AI(人工知能)やブロックチェーン、IoT(Internet of Things)、クラウドといった技術を利用して被災者や被災地域、被災社会を支援すること」だという。そのためにIBMでは、全世界の開発者に対してこの取り組みに参加するよう呼び掛けている。
Call for Codeは、被災者支援に関するアメリカ赤十字社(American Red Cross)の取り組みも取り込んでいるという。IBMでは、2017年に火災や洪水、地震、嵐といった災害が過去最悪の規模で発生したことを考えると、これは特に重要だとしている。Call for Codeでは、例えば、気象データとサプライチェーン情報から気象に関する混乱を予想し、薬や飲料水などの商品を多く補充するよう薬局に注意を促すアプリケーションのように、自然災害に対する地域社会や人々の備えを強化するのに役立つ新しいアプリケーションの開発を開発者に促す。
IBMは今後5年間で3000万ドル(約32.5億円)をCall for Codeに投資する。この資金は、開発者向けのツールや専門家によるトレーニングの利用などに当てられる。最優秀チームに贈られる賞金もここから捻出する。
最優秀チームはさらに、アイデアをプロトタイプから実際のアプリケーションに移行させる際の長期的なサポートを、IBMとLinux Foundationから受けられる。Linux Foundationのエグゼクティブ・ディレクターを務めるジム・ゼムリン氏は「最優秀作品には、コンテストが終わった後も長期にわたって世界中に広く導入するための強力なエコシステムが必要だ。Linux Foundationは、導入に必要なツールをオープンソースプロジェクトに提供する形で協力する」としている。
Call for Codeの応募は、Webサイトから可能だ。個人または5人までのチームで参加できる。応募期間は、2018年6月18日〜2018年8月31日。同年9月に、準決勝に進出する30チームを選出する。その後、決勝に進出した3チームの中から最優秀ソリューションが選出される。最優秀チームは、同年10月のDavid Clark Causeによるコンサートと表彰イベントの中で発表される予定だ。
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