「転びながら、まだ全力で疾走している感じ」――そんな山本氏の感想に対して島田氏は、「反省する文化がないので、また同じところをケガしてしまうんです」と、自戒を込めて分析している。
それでもゲーム開発が継続できているところが、逆に同社のスゴさといえるのではないだろうか。その点について島田氏は「お金にならないところに、価値になることはあった」と考えているそうだ。
さまざまな失敗をしてきたおかげで、それを見ていた社内のいろいろな人たちが、改善点を見つけ出してくれるようになったという。
「『わが社は人に恵まれているなぁ』と感じます」(島田氏)
ゲーム制作のディレクター起用においても、サービスを上手に運営できるかどうかを、見極められるようになったという。
「採用の面接では『今、ウチのゲームの運営がこういう状況だけど、あなたならどうする?』などの質問を投げかけます。答えの中身というより即答できるかどうかが大切。ゲームに限らず、ビジネスをマネジメントしていく上で、瞬発力は大事だと気付かされました」(島田氏)
「上に立つ人は瞬発力必要ですよね。あと、謝れるかどうかとか」(山本氏)
SI事業とメディア事業のそれぞれの責任者とも考えを共有していることが、同社のあくなきチャレンジを実現させているのだという。
今後はITコンサルができるSI企業、自社オリジナルコンテンツを展開するメディア事業、そしてベトナム進出も含めた海外事業という3つの柱を太く大きくしていきたいという島田氏。数々の失敗を糧にした、今後のかじ取りに注目したい。
次回以降も山本一郎氏が、開発会社の炎上事例をぶった切ります。お楽しみに。
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