今回は、前回紹介した「Microsoft 365 Business」の無料試用版に基づいて、Microsoft 365 Business特有の機能を幾つかレポートします。Microsoft 365 Businessがどのようなサービスなのか、具体的な姿として捉えることができると思います。
300ユーザーまでの中小規模の企業をターゲットにした「Microsoft 365 Business」は、Windows 7/8.1のWindows 10へのアップグレードと、Office 365 Business Premiumと同等の企業向けOfficeアプリ、オンラインサービス(メールやオンライン会議などのコラボレーションサービス、1ユーザー当たり1TBのオンラインストレージ)に、Microsoft 365 Businessに特有の一元管理機能をセットにした統合型ソリューションです。
WindowsデバイスからMicrosoft 365 Businessのサービスを利用するには、Windows 10 Pro バージョン1703(Creators Update)以降を実行していることが前提条件になります(詳しくは説明しませんが、AndroidおよびiOSデバイスの管理にも対応しています)。
現在、Windows 7 ProfessionalまたはWindows 8.1 Proを実行するデバイスがある場合は、Windows 10 Proにアップグレードできます。Microsoft 365 Businessの「ホーム」にあるダウンロードリンクは、Windows 10の一般向けダウンロードサイトと同じ場所を指しています。「Windows 10アップグレードアドバイザー」またはインストールメディアをダウンロードして、アップグレードインストールを実行します。現在は、最新のWindows 10 バージョン1803(April 2018 Update)にアップグレードすることになります(画面1)。
最新のWindows 10 Proにアップグレードしたデバイスと、既にWindows 10 Pro バージョン1703以降を実行しているデバイスは、Microsoft 365 Businessが提供する「Azure Active Directory(Azure AD)」に接続することで、Microsoft 365 Businessの管理対象になります。
ユーザーが行う作業は、Windows 10の「設定」アプリの「アカウント」→「職場または学校にアクセスする」から「このデバイスをAzure Active Directoryに参加させる」を選択し、Microsoft 365 Businessの管理者から入手した会社アカウントのユーザーの資格情報を入力することです(画面2)。
Microsoft 365 Businessの管理対象になったことは、Azure AD参加設定の状態、またはWindows 10の「バージョン情報」がWindows 10 Businessに切り替わっていることで確認できます(本連載第26回の画面2を参照)。
Microsoft 365 Businessは、「Windows AutoPilot」による新規デバイスのセットアップにも対応しています。Windows AutoPilotについては、本連載第24回で「Microsoft Store」を利用した手順を説明しました。
その際に説明したように、Windows AutoPilotによるセットアップには、Windows AutoPilot対応のOEMベンダーから「デバイス情報」を事前に取得しておく必要があります。Microsoft 365 Businessの管理者は、OEMベンダーから取得したデバイス情報をMicrosoft 365 Businessの管理ポータルにアップロードし、「AutoPilot展開プロファイル」を作成してデバイスまたはデバイスグループに関連付けます(画面3)。
ユーザーは初回起動時のOOBE(Out-Of-Box Experience)セットアップでユーザー資格情報の入力と最小限の対話を行うだけで、Windows 10 Businessとしてセットアップを完了することができます。
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