ギットハブ・ジャパンは「GitHub Enterprise 2.14」を公開した。新たに「ユニファイドサーチ」「Checks API」「ホワイトスペースの無視」「複数レビュワーの必須化」「匿名でのGitアクセス」などの新機能を追加した。
ギットハブ・ジャパンは2018年7月13日、「GitHub Enterprise(GHE)」の新バージョン「GitHub Enterprise 2.14」を公開した。GHEは、オンプレミスで稼働する、企業向けのソフトウェア開発プラットフォーム。オープンソースソフトウェアの開発で活用されているGitHub.comの機能をそのまま利用しながら、プライベートリポジトリを作成して2要素認証でアクセス制限をかけるなど、企業の開発環境に向けた機能を備える。
GHE 2.14では、新たに「ユニファイドサーチ」「Checks API」「ホワイトスペースの無視」「複数レビュワーの必須化」「匿名でのGitアクセス」などの新機能を追加した他、非アクティブユーザーと見なす期間を変更できるようにし、複数のIssueテンプレートを作成可能にした。新機能の主な内容は以下の通りだ。
ユニファイドサーチ機能は、GHEに加え「GitHub Business Cloud」も利用している場合、GitHub.com上のオープンソースソフトウェアのリソースに対してファイアウォール越しにアクセスできるようにする機能。セキュリティを保ったまま、パブリックコンテンツを検索し、GitHubコミュニティー全体とコラボレーションできる。
Checks APIは、例えば、継続的インテグレーションやlint、受け入れテストをGitHub上で実行できるツールを構築する機能だ。これまでビルドの成功や失敗をレポートするために使っていた「Statuses API」と比べて、ビルド中により多くのステータス情報を指定可能で、より詳細な情報を収集できる。まだ、パブリックβの段階にある。
diff機能で差分を表示する際にホワイトスペースの変更が幾つも含まれていると、重要な変更を見逃してしまいかねない。GHE 2.14は、ホワイトスペースの変更を無視する機能を備え、コードの更新箇所だけを表示できる。
複数レビュワーの必須化は、大規模プロジェクトのための機能だ。プロジェクト規模が大きくなると、コード変更を確認する際に、複数のレビュワーを必要とすることがある。こうした目的のためにGHE 2.14は、複数のレビュワーを指定できるようにした。
これらに加えGHE 2.14では、プライベートモードの場合、パブリックリポジトリに対して匿名でアクセスできるようになった。ギットハブ・ジャパンでは、これによって継続的インテグレーションのツールやビルドマシン上で、シームレスにコードへアクセスし、テストやパイプラインのデプロイ実行がより容易になるとしている。
またGHE 2.14では、ユーザーが非アクティブと見なす日数のデフォルトのしきい値を、従来の30日から90日に変更した。管理者は、自身のチームの方針に合わせてしきい値を変更可能だ。これにより開発者は、より長い期間にわたってアクセスを保持できる。
さらに、複数のIssueテンプレートを作成できるように、テンプレートの設定プロセスも改善した。複数の用途に合わせて最適なテンプレートを設定することで、ノイズを減らし、参加メンバーが多いプロジェクトの管理をより容易にした。
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