アナリティクスの活用は、ビジネスの現場では新しいことではない。だが、最近の進化がこの分野を大きく変えようとしている。データ/アナリティクス担当リーダーは、インテリジェントで直感的な技術に投資し、自社ユーザーのニーズをサポートしなければならない。
ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
われわれはアナリティクスの時代に生きている。ビジネスの意思決定は、人々の頭だけでは理解するのに苦労する複雑なデータに基づいて行われるようになっている。長年にわたって人に関連する主観的な判断を行っていた人事のようなビジネス部門も、今ではアルゴリズムとデータの力を借りている。
「データとアナリティクスの担当リーダーは、分析を自動化するアプローチとアナリティクスの多くの活用法を、より追求しなければならない」。Gartnerのリサーチバイスプレジデントを務めるリタ・サラム氏はそうアドバイスする。
「アナリティクス技術が進化したおかげで、従業員や顧客のニーズに適応させられるようになった。ユーザーはもはや、従来のアプローチの採用を強いられずに済む」と、Gartnerのリサーチバイスプレジデントを務めるアレクサンダー・リンデン氏は付け加える。
企業は複雑なビジネス課題を解決するために、高度な分析を行う必要がある。Gartnerは、今後のアナリティクスを形作る重要なトレンドとして、以下の2つを特定している。
Gartnerは2023年までに、人工知能(AI)とディープラーニング技術が新しいデータサイエンスアプリケーションの最も一般的なアプローチになると予想している。ただし、「人々は自分自身が理解できない分析を疑う」という問題がある。
「これまで、分析技術は常に、少なくとも概念的には理解できるものだった。ユーザーは、特定のモデルがどのように構築されているか分からなくても――例えば、多変量解析やディシジョンツリーの背後にある論理は理解していた」と、リンデン氏は説明する。
ディープラーニングは従来の技術とは異なっている。より正確な結果をもたらすことが多いものの、透明性に欠けている。ユーザーは、どのように答えが導き出されたのか理解できず、そのためにこの技術を信頼しない傾向がある。
「仮想アシスタントや自動運転車などの製品に見られるように、ディープラーニングは主に、従来の機械学習技術が適さない場合に使用される。だが、いずれにしても、人々はやがて慣れるだろう。AIは日々の生活の一部になるからだ」(リンデン氏)
企業におけるディープラーニング技術導入のより厄介な障害は、説明が難しいアルゴリズムが失敗した場合、民事責任を問う訴訟を起こされる可能性があることだ。データとアナリティクスの担当リーダーは、新しい技術を展開する前に法務部門などの意思決定者を巻き込むべきだ。
関連性はアナリティクスにおける重要な基準だ。ユーザーに情報を探させるのではなく、システムが情報とユーザー間の関連性を認識し、その情報に含まれる洞察を先回りして提供する必要がある。
「多くのアナリティクスプラットフォームは、既に拡張アナリティクス技術を統合している。この技術は、データの傾向や相関を検出し、検出結果を自然言語で解釈する方法や、その表示に最適なフォーマットを提案する。Gartnerは2021年までに、作成済みレポートの75%が、自動化された洞察によってリプレースされるか拡張されると予想している」と、サラム氏は説明する。
また、ユーザーが直感的なインタフェースメカニズムをますます期待するようになっていることから、企業はそうした期待に応えるアナリティクス技術に投資しなければならない。AI技術の導入により、ユーザーが注意すべき問題に集中できるようする。アナリティクスへの会話インタフェースの統合も、アクセスするユーザーの増加や解釈の一貫性の向上につながる。
「数年後には、拡張アナリティクス機能にアクセスする意思決定者は、パーソナルアナリティクスアシスタントに最新の販売実績の分析とアドバイスを頼めるようになるかもしれない。さらに、システムは特定の関連性のトリガーを学習し――例えば、販売について実用的な洞察を定期的に提供するといった形で、いずれは自らやりとりを開始できるようになる」(サラム氏)
出典:Enter the Age of Analytics(Smarter with Gartner)
PR Manager Germany & Scandinavia at Gartner
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