IBMとSeagate Technologyはブロックチェーンとセキュリティ技術を使用して、HDDの偽造防止などに共同で取り組むことを発表した。IBM Blockchain PlatformにSeagateのID情報を登録することで運用する。
IBMとSeagate Technology(Seagate)は2018年11月8日(米国時間)、ブロックチェーンとセキュリティ技術を使用して、HDDの偽造防止などに共同で取り組むと発表した。今回の提携では、メーカーとインテグレーター、ビジネスパートナーが進めるHDDの偽造対策の支援も目指している。「IBM Blockchain Platform」を使ってHDD製品の出どころを認証し、新たなレベルの多層セキュリティ保護をデータ管理産業にもたらすとしている。
提携の背景には被害の規模がある。国際模倣対策連合(IACC)によると、電子製品の模倣品や海賊版の国際取引額は1.7兆ドル以上に相当する。
そこで、Seagateは製品の真正性を確保するため、まず製造時点で「IBM Cloud」上のIBM Blockchain Platformを、「Seagate Secure Electronic ID(eID)」に基づく製品認証データで更新する。これにより、個々の製品のライフサイクル全体を通じて、電子指紋の役割を果たす固有の識別子を使って製品の真正性を確認できるようになる。
HDDを廃棄するときなどには、内蔵データを確実に消去する必要がある。ここでもブロックチェーン技術を用いる。Seagateの「Certified Erase」を利用して削除すると、Cryptographic Erasure技術によって、消去したことを証明するデジタル証明書を生成。「Seagate Secure PKI」を用いて電子的に署名後、コンプライアンス管理のためにブロックチェーンに保存する。
Seagate Secure技術は、eIDとCertified Eraseの両方の基盤であり、製品の真正性とデータ消去証明に関する高度な信頼性を実現するという。顧客は、HDDがSeagateの純正品であり、HDD上のデータが安全に消去できたことが分かり、恩恵を受ける。
IBM Blockchain Platformは、Linux Foundationの分散台帳フレームワーク「Hyperledger Fabric」をベースに、IBMのブロックチェーンノウハウを用いて構築されたもの。ネットワーク参加者がパーミッションレベルに応じて、ブロックチェーンデータを付加、表示できるように設計されている。
そのため、製品のライフサイクルを通じて技術ベンダーやサービスプロバイダー、エンドユーザーが、ブロックチェーンで製品の真正性をIDの形で確認できる。これによってデータ損失、不正な製品、保証コストが減少し、顧客への製品保証が向上する。
SeagateとIBMは、世界規模で製品の偽造防止に共同で取り組む今回のプロジェクトが進むとともに、サプライチェーンパートナーの参加を得て、ビジネスネットワークが拡大することを期待している。
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